旧産炭地で新エネやビッグデータ推進 中国江蘇省徐州市

旧産炭地で新エネやビッグデータ推進 中国江蘇省徐州市

江蘇華美熱電にある淮海ビッグデータ制御センターで、設備の稼働状況をリアルタイムで確認する作業員。(5月22日撮影、徐州=新華社記者/趙久竜)

 【新華社徐州6月12日】中国の古くからの工業都市で、代表的な資源型都市の一つでもある江蘇省徐州市。大規模かつ高強度な鉱石の採掘が長期にわたり行われ、大気汚染も深刻だったこの地で、太陽光発電やコジェネレーション(熱電併給)、ビッグデータ産業などが急速に成長している。

 石炭生産量累計10億トンの徐州鉱務集団の完全子会社である江蘇華美熱電は2014年、かつて龐荘(ほうそう)炭鉱があった場所に設立された。単結晶シリコンを使った高効率の太陽光パネルがずらりと並び、熱と電力のコジェネレーションで地域住民の需要を満たすだけでなく、併設したデータセンターの冷却用電力も賄っている。

旧産炭地で新エネやビッグデータ推進 中国江蘇省徐州市

江蘇華美熱電に設置された単結晶シリコン太陽光パネル。(5月22日撮影、徐州=新華社記者/趙久竜)

 鄭洪(てい・こう)総経理は「コジェネレーション技術を利用し、発電で生じた余熱を回収、温水や蒸気に転換して居住エリアに輸送し、毎年約150万人の住民にサービスを供給している」と語る。市内外に熱や電力を供給すると同時に、余った大量のエネルギーを、併設した淮海ビッグデータ産業パークに供給。エネルギーのグリーン(環境配慮型)で効率的な利用を実現している。

 盧官発(ろ・かんはつ)副総経理兼総工程師によると、淮海ビッグデータ産業パークには、2万台以上のサーバーラックが格納できる。電力消費の激しい冷却には、発電所で生じた高温の蒸気によるエネルギーを利用。安全確保のため4系統の電源を設け、電力供給の安全レベルは極めて高い。また2年前から開始した分散型太陽光発電では年間約400万キロワット時を発電、データセンターの電力需要を満たしてまだ余りが出る規模だという。

旧産炭地で新エネやビッグデータ推進 中国江蘇省徐州市

江蘇華美熱電に設置された単結晶シリコン太陽光パネル。(5月22日撮影、徐州=新華社記者/趙久竜)

 徐州市はここ数年、伝統産業のモデルチェンジを加速してきた。今後は新たな質の生産力(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の育成と拡大に注力し、淮海経済区(江蘇、山東、河南、安徽4省にまたがる10市からなる)の中心都市としての建設を加速、江蘇省の質の高い発展に向けた強力な支点の構築を目指す。(記者/趙久竜、蒋文茜、陳聖煒)

旧産炭地で新エネやビッグデータ推進 中国江蘇省徐州市

江蘇華美熱電に設置された単結晶シリコン太陽光パネル。(5月22日撮影、徐州=新華社記者/趙久竜)

旧産炭地で新エネやビッグデータ推進 中国江蘇省徐州市

江蘇華美熱電に設置された太陽光パネル。(5月22日撮影、徐州=新華社記者/趙久竜)

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江蘇華美熱電に設置された水上太陽光パネル。(5月22日撮影、徐州=新華社記者/趙久竜)

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太陽光パネルが屋根に設置された江蘇華美熱電の駐車場。(5月22日撮影、徐州=新華社記者/趙久竜)

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江蘇華美熱電の一角。(5月22日撮影、徐州=新華社記者/趙久竜)

旧産炭地で新エネやビッグデータ推進 中国江蘇省徐州市

江蘇華美熱電にある淮海ビッグデータ制御センターで、設備の稼働状況をリアルタイムで確認する作業員。(5月22日撮影、徐州=新華社記者/趙久竜)

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