「一度頭を冷やしたら?」三重県が「大阪万博に無料招待」ぶち上げるも7割の学校が「行く予定はない」のトホホ

大阪万博「ミャクミャク」のモニュメント(写真:西村尚己/アフロ)

「2025年大阪・関西万博」に府内の小中校生などを学校単位で102万人無料招待する大阪府。府の教育庁が各学校にアンケートをおこなったところ、回答があった学校のおよそ8割にあたる約1390校が参加を「希望する」と回答。2割にあたる約350校が参加を「未定・検討中」と回答したことが6月3日に発表された。

「アンケートは『参加を希望』か『参加は未定・検討中』の二択で、『参加を希望しない』がなかったことから批判されましたが、約160校が回答を寄せなかったことから参加を躊躇している学校も多いのでしょう。

そのおもな理由は会場の人工島・夢洲(ゆめしま)からメタンガスが噴出して爆発事故が起きていること、会場へのアクセスが地下鉄やシャトルバスに限定されるため大混雑が予想されることなどで、生徒の安全が確保できるか不安があるためだと思われます。学校単位ではなく、個人参加にする自治体もあります」(政治担当記者)

吉村洋文大阪府知事は、多くの学校が参加を希望することに、胸をなで下ろしただろうが……一方、周辺自治体ではまだまだ「機運醸成」ができていないようだ。

たとえば三重県では、「県への誘客」「県産品の販路拡大」などを目的に、万博に特別展示を予定している。そのため、大阪府同様に県内の小中学生らを無料招待するという。

「三重県も県内の624校を対象に、『万博への来場を希望するか』の意向調査をおこないましたが、結果は県の関係者にとって予想外だったようです。

6月7日の時点で538校から回答があり、『来場予定』が55校、『行き先として検討中』が108校でしたが、『来場予定はない』が375校と、実に7割になる “トホホ” な結果となりました。

三重県の一見勝之知事は会見で『引率をしなきゃいけない手間がかかるとか、交通費も含めて交通をどうするんだとか、子供さんを連れていくのが大変だからというのがあると思う』と語っています」(週刊誌記者)

交通費や引率の大変さを「来場しない」の理由にあげる知事に県民からは「何をいまさら」という声も聞こえてくるが、Yahoo!ニュースのコメント欄にも、

《三重県からバスで日帰りするのは現実的でないので、行くとするなら1泊2日の修学旅行(宿泊学習)に組み込むことになるだろう》

《バス代は何台でも無料ですべて三重県が負担するとしなければ。学校側としては、やはり気になるのがバス代》

《三重から問題無く来れる!と万博協会が考えているのであれば、ズレ過ぎてますので一度頭を冷やしたらいかがでしょう?》

《交通渋滞やメタンガスの問題など、万博は教師にとっても子どもにとっても何のメリットもない》

など学校の参加に懐疑的な意見が多かった。万博開幕までおよそ300日。まだまだドタバタが続きそうだ。

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