「赤い藻」と「土」を見間違えたひ孫が池に転落 助けようとした男性(80)が溺死 「赤い藻=アカウキクサ」とは?【岡山】

暑い日が続くなかで、痛ましい水の事故です。

きのう(11日)玉野市のため池で溺れたひ孫を助けようと池に飛び込んだ男性が亡くなりました。
女児は幸いにも無事でしたが、警察によりますと、池に繁殖した大量の藻を土と見間違えたと話しているということです。

ため池の水面を覆う赤いじゅうたん。事故があった玉野市八浜町波知のため池は縁が赤い藻で埋めつくされていました。

(榎崎朱子記者)
「向こうに見える赤い藻、事故当時はこの階段の下にびっしり浮かんでいました。そしてそこを地面と見間違えて落ちてしまったといいます」

きのう午後7時ごろ、ため池の近くに住む男性が、池にはまった小学1年生のひ孫の女児を助けようと飛び込み姿が見えなくなりました。駆けつけた警察が捜索したところ、約1時間20分後に池の中で沈んでいる男性が見つかり、病院に搬送されましたが、死亡が確認されたということです。

女児は自力で岸にあがりけがはありませんでしたが、警察によりますと「藻を土と見間違え足を踏み外した」などと話しているということです。

土と見間違えるほど密集…「アカウキクサ」とは?

ため池を覆いつくす赤い藻は「アカウキクサ」という水生シダ植物です。
水鳥の足に付着するなどして簡単に拡散し、県内でも各地の用水路などにこのアカウキクサが大量発生しています。

RSKでは3月、身近な問題を調査する「ど~なっとん」で、岡山市南区の用水路を埋め尽くしたアカウキクサの問題を放送していました。放送後には岡山市による除去作業も行われ、通水障害などこれらの水生植物が引き起こす様々な問題が危惧されていました。

そんな中、水難事故という思わぬ形の被害を引き起こした大量の藻。

一夜明け、ため池を管理する玉野市の職員も、困惑を隠しきれない様子でした。

(玉野市産業振興部農林水産課 大賀宗一郎課長)
「安全対策で必要なことがあれば、こういう事故が起きないように対策をしていきたい」

市民の要望を踏まえ今後の対応を検討したいという玉野市。本格的な夏を前に小さな子どもたちへの注意喚起などが求められています。

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