「我々はもっとうまく彼をガードする必要がある」セルティックス指揮官が不振のアービングの爆発を警戒<DUNKSHOOT>

今季、2022年以来のNBAファイナル出場を果たしたボストン・セルティックスは、ダラス・マーベリックスに対して2勝0敗とシリーズを優位に進めている。

チームはジェイレン・ブラウンが平均21.0点、5.0リバウンド、4.5アシスト、3.0スティール、1.5ブロック、ドリュー・ホリデーが平均19.0点、9.5リバウンド、4.0アシスト、ジェイソン・テイタムが平均17.0点、10.0リバウンド、8.5アシスト、デリック・ホワイトが平均16.5点、クリスタプス・ポルジンギスが平均16.0点、5.0リバウンド、2.5ブロックを記録。1人の選手に頼ることなく、チーム全体で戦っていることがスタッツからも分かる。

ディフェンスではマブズのエース、ルカ・ドンチッチには平均31.0点、10.5リバウンド、6.0アシストを許しているが、2番手のカイリー・アービングを平均14.0点、4.0アシスト、フィールドゴール成功率35.1%にシャットアウト。1オン1やスクリーンでズレを作られても素早いカバーでオープンショットの機会を作らせず、3ポイント成功率を24.5%(13/53)に抑えている。

マブズにはPJ・ワシントン、デリック・ジョーンズJr.、ダニエル・ギャフォード、デレック・ライブリー二世といった選手がいるが、彼らはロールプレーヤーであり、ほとんどのオフェンスにドンチッチかアービングが絡んでくる。
アービングはクリーブランド・キャバリアーズ時代に3度ファイナルに出場経験があり、2連敗で迎えた2016年の第3戦で30得点、8アシスト、同じシチュエーションで迎えた翌17年の第3戦も38得点の爆発を見せている。

そのため、ここまでアービングがどれだけ不振でも、ホリデーとホワイトを中心に敷くディフェンスの包囲網が緩むことはない。

セルティックスのジョー・マズーラHC(ヘッドコーチ)はこう話す。

「彼をシャットダウンするわけではない。インパクトを残せる彼のプレーの数々を、難しくさせるだけだ。そのために我々は戦わなければならない。(最初の2試合ではシュートが)いくつか入りそうな場面もあったから、我々としてはもっとうまく彼をガードする必要がある。彼は間違いなくよりアグレッシブになるだろうからね」

セルティックスはアウェーでの第3戦もアービングを封じ込め、2008年以来、通算18度目の優勝に王手をかけることができるのか。鉄壁を誇るホリデー、ホワイトのディフェンスに引き続き注目だ。

文●秋山裕之(フリーライター)

© 日本スポーツ企画出版社