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数千年前…中南米で作られていたという「笛吹きボトル」。一体何のために古代アンデス人はこの不思議なボトルを作ったのか。きょう(12日)、岡山市でその謎に迫る初の実験が行われました。
お酒を入れて揺らして音を出して、「お酒と音を神様に捧げていた」と考えられている「笛吹きボトル」。
今から2千年前…中南米のペルーで作られた「笛吹きボトル」です。中に酒を入れると独特の音色を奏でるといいます。
長年、神に祈りを捧げる儀式の中で使われていたと考えられているこの「笛吹きボトル」。ただBIZEN中南米美術館の森下館長は、儀式に限らず「人々の暮らしに頻繁に用いられたものだったのでは」と考えています。
(BIZEN中南米美術館 森下矢須之館長)
「当時の人たちも宴会で音を楽しむだけじゃなくて、『味の変化』も楽しんだのではないか」
酒を入れると味が変わる…?記者が確かめてみた
酒器として日常使いされていた可能性を調べようと、岡山大学や岡山県立大の教授らが集まり世界初となる実証実験が行われました。
当時、飲まれていたトウモロコシを発酵させた酒=チチャ酒も準備。やわらかな音を奏でた酒に変化はあるのか…
「変化はありますよね、酸味が強くなりましたね」
実際に味が変わるというのです。特別に試飲させてもらうと…。
(坂井亮太記者)
「へぇ不思議…振った後のチチャ酒はフルーティさが前面に出てくるというか甘い香りがどんどんしてきます。飲むと全然違いますね。マイルドになってフルーティさがより深くなった気がします。振った後の方が美味しいです」
岡山大学で成分を調べてみると…値が変化!
さらに、岡山大学の教授が笛吹きボトルを振る前後で酸化の進み具合を示す水素イオン濃度を調べてみるとわずかではありますが値に変化がみられました。
(BIZEN中南米美術館 森下矢須之館長)
「材料とかによってもチチャ酒の味もいろいろ変わるでしょうから、そういったことも今後試してみたいなと考えています」
森下館長は今後、味が変化した原因を調べるとともに酒を美味しく飲むため笛吹きボトルが使われていた可能性についても掘り下げたいといいます。
世界初となった今回の実験。結果は後日、学会で発表される予定です。