「とにかく勝ちを届けたい」前日涙こらえた西武・源田壮亮 突破口のチーム初安打&ビッグイニングつなげる犠打

5回無死一塁、送りバントを決める西武・源田(撮影・大泉謙也)

◆日本生命セ・パ交流戦 西武5―0広島(12日、ベルーナドーム)

前日11日に悔し涙をこらえた西武の源田壮亮が3試合ぶりの安打で突破口を開いた。

2回2死一塁の第1打席、大分商高の後輩にあたる広島右腕の森下暢仁が投じた147キロ直球を中前に運び、チーム初安打。一塁ベース上で力強く手をたたいた。「必ず1本をというところがあった」とうなずいた。

源田は11日の広島戦で1点を追う9回2死二塁、執念のヘッドスライディングも実らず一ゴロに倒れた。そのままうずくまり、涙をこらえる姿がファンの胸を打った。53年ぶりに同一シーズンで2度目の8連敗。ロッカールームでは先発今井に謝る姿があったという。

11日の試合後「こういう状況は全部僕の責任。それを背負わないと。応援してくれるのにふがいない試合をして申し訳ない」と主将として、チームの中心選手として責任を一身に負っていた。

一夜明けた12日もその思いは変わらなかった。「こういう状況でも来てくれる人がいっぱいいる。そこをやっぱりもう1回ちゃんとあらためて感じながら来た」。広島ファンを含めた数とはいえ、1万6636人が集った観客の思いを受け取った。

その中の1人で、大の西武ファンで知られるモデルの新川優愛がセレモニアルピッチで「なにがあっても、どんな年でも ずーっと青炎を送ります!!」と直筆した色紙を掲げた。源田は「見ました。本当にありがたい。そういう応援してくださる方たちに、とにかく勝ちを届けたい」と5回には無死一塁で初球に犠打を決め、ビッグイニングにつなげた。

連敗は止めたが借金21で、5位オリックスとは依然として9・5ゲーム差ある。「本当に明日(13日)が大事。連勝連勝で勝っていくしかない」と決死の覚悟は変わらない。(末継智章)

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