西武・隅田がチームを救う”マダックス”完封 先発経験者の解説陣は立ち上がりに注目「ちょっとバタついた。それが良かった」

◆ 初回、2回と先頭打者に四球も後続を抑える

投打が噛み合った西武は5-0で広島に勝利し、6月1日の巨人戦(ベルーナドーム)以来の白星。翌2日の同戦から続いていた連敗を「8」で止めた。

先発の隅田知一郎は初回、2回といずれも先頭打者に四球を与えるも、2回は巧みな二塁牽制でタッチアウトを奪うなど後続をピシャリ。4回途中から15打者連続アウトを記録するなど、尻上がりの内容で快調にゼロを重ねた。

5点リードの9回は2安打で二死一・二塁のピンチを招いたが、最後は4番・小園海斗を空振り三振に仕留め、9回99球、4安打無失点の快投で4勝目(5敗)。100球未満の完封勝利“マダックス”達成は1988年の松沼博久氏以来、球団では36年ぶりの快挙となった。

打線は0-0で迎えた5回、先頭の代打・滝澤夏央の左前打を口火に好機を作ると、二死三塁で9番・元山飛優が中前適時打を放ち先制。さらに、続く1番・長谷川信哉が中前打でつなぐと、2番・西川愛也が右中間突破の2点適時三塁打を放ち3-0とリードを広げた。その後も4番・中村剛也のラッキーな適時内野安打で4点目を奪い、5番・陽川尚将も中前適時打で続き5点目。試合前の時点で防御率1.16だった広島先発・森下暢仁に打者一巡の猛攻を浴びせ、一挙5得点のビッグイニングを作った。

12日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』では隅田の好投にフォーカス。自身も現役時代、先発として6度の2ケタ勝利を達成した館山昌平氏は「初回にフォアボールから始まって、ちょっとバタついた。それが良かったと思う。『やっぱり攻めて行かないとダメなんだ』と再確認できたところが、9回まで攻め続けられた要因だったのかなと思います」と持論を述べた。

この意見に、隅田と同じく現役時代に先発左腕として活躍した野村弘樹氏も同調。「やっぱりチームが連敗していると、『何とかしないといけない』と背負ってしまうんですよね。それが立ち上がりに出たと思うんです。ただそこで、隅田自身が切り替えられたと思う。ピッチングに勢いが出て、攻撃陣も(5回に)一気に行った。8連敗中の鬱憤を、投打とも一気に晴らした試合に見えました」と、不安定だった立ち上がりを上手く無失点で乗り切った背番号16の踏ん張りを称えた。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』

© 株式会社シーソーゲーム