W杯アジア2次予選「完璧な日本代表」に多方面から賛辞! シリア地元紙は「練習をしているかのよう」、伯メディアは堂安律を最高殊勲者に選定

6月11日に行なわれた2026年ワールドカップ・アジア2次予選の最終節、日本代表はシリア代表を5-0と大差で下し、グループBでの6戦を全勝・無失点で終えている。

エディオンピースウイング広島での一戦、13分に上田綺世のヘディングシュートで先制すると、19分後には堂安律が技ありの一撃をニアポストに決め、さらにその2分後に久保建英のスルーパスが相手DFに当たってコースが変わる幸運で3点をリード。後半に入ると、73分に相馬勇紀が自ら倒されて得たPKを決め、最後は南野拓実がゴール右隅にダメ押し弾を突き刺してみせた。
今ラウンドでの総得点を24まで伸ばし、首位で突破した日本について、AFC(アジア・サッカー連盟)は公式サイトで「完璧な日本が華々しく2次ラウンドを締める」「サムライブルーは圧倒的な勢いで次ラウンドへ進出」と伝え、前半の戦いぶりについても「日本は容赦なく攻撃を続け、ハーフタイムまでに快適なリードを奪った」とポジティブに綴っている。

3位で敗退となったシリアの日刊紙『Al Thawra』は、自国の視点から「日本の支配が続き、我々のチームはまるで魂が抜けたようだった。結果と両チームの実力差を受け入れたかのように、日本代表はまるで練習を行なっているかのように見えた。試合は我々にとって重い敗北で終わり、新たな構築と忍耐、これまでとは異なる視点が必要であることが明らかになった」と報じた。

続いて他国メディアの報道を見ると、フランスの通信社『AFP』は、「日本代表は勝率100%で2次予選を突破」「森保一監督率いるチームは、広島でまたもや楽勝を収め、24得点・無得点を記録し、最高ポイントで今ラウンドを終えた」「20年ぶりに広島での代表戦に臨んだチームは、観客を沸かせるのに時間を無駄にしなかった」と、日本の強さを強調している。

また同国のスポーツ紙『L’EQUIPE』は、「日本の好成績に注目すべきだ。彼らはこの予選ラウンドを完璧な形で終えた。6試合全勝で、今日はシリアに対して5-0で勝利。この試合では、モナコ所属の南野がフル出場し、ゴールも決めている」と、自国のリーグでプレーする選手に言及するのを忘れなかった。
続いてドイツの日刊紙『BILD』は、「日本は、シリア、北朝鮮、ミャンマーとのグループで無失点での6戦全勝を飾り、堂々の1位で戦いを終えた」とレポートするとともに、「このように強い日本が、アメリカ、メキシコ、カナダで開催されるW杯で予選敗退を喫する可能性は間違いなく非常に低い」と、本大会行きを確信している。
アルゼンチンの日刊紙『Ole』は、「サムライブルーは、広島で問題なく勝利を重ねた。試合開始から21分間で、上田、堂安のゴール、そしてオウンゴールにより、彼らは早々に勝利を決した。しかし、森保監督のチームはそこで止まらなかった。アジアのスター選手である久保建英が62分でベンチに退いたにもかかわらず、日本は気を緩めず、2点を追加した」と、自国出身のエクトル・クーペル監督が退任に追い込まれた一戦を振り返った。

久保については、スペイン・バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』も注目しており、「レアル・ソシエダのアタッカーは、2トップの後ろで自由に動き回り、ボールを運ぶ役割を果たした。彼は最初の3ゴールのうちの2つ(2点目と3点目)で重要な役割を果たしている。さらに、久保は素晴らしいプレーをもう一度見せており、タッチライン際でボールを受けた彼は、アウト側を進むと見せかけて内側に切り込み、相手の3人の間を縫うようにして、上田への完璧なダイアゴナルのパスを送った」と評している。

そしてブラジルの総合サイト『Globo』は、「今予選、『5-0』は日本の典型的なスコアとなった(北朝鮮戦以外は全て同スコア)」と伝え、前節ミャンマー戦で活躍し、今回も先制アシストを決めた中村敬斗について「この攻撃的MFをウィンガーとして起用して決定力を高めるのが森保監督のアイデアであれば、それは非常に上手く機能した。シリアが脆かったため、より強い相手の場合にこれがどの程度有効かは疑問が残るが、日本が優位に立てるこの手のアジア勢との試合では、依然として良い選択肢である」と指摘した。

「(日本の)攻撃対(シリアの)防御」とこの一戦を表現した同メディアは、今回も日本の全選手を10点満点の採点で評価し、堂安を「伊東純也が出場できない中で、チャンスを活かした。右ウィングバックとしての新しい役割にもよく適応し、試合全体を通じて日本で最も危険な存在だった。また、左足のシュートで見事なゴールも決めた。背番号10に相応しい活躍を見せ続けた」と賛辞を贈り、単独最高点の「7.5」を与えるとともに、「マン・オブ・ザ・マッチ」に選定している。

なお、彼に次ぐ「7」を付与されたのは、「ピッチ上で最高の選手のひとり」の中村、「素晴らしい時間を過ごした」久保、「後半に好パフォーマンスを発揮した」南野、「左MFとして再び良いスタートを切った」「カウンターを発動するのに貢献した」相馬、「MFがウィンガーの役割を担う新しい3-4-2-1が成功した」森保監督の5人である。

構成●THE DIGEST編集部

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