オンラインで服薬指導 薬局展開のハンズファーマシー(富山)、輪島の被災者対象

服薬指導などを受ける被災者側のモニター画面(サイバーステーション提供)

 富山、石川両県で薬局を展開するハンズファーマシー(富山市堀川本郷、林弘志社長)は12日、能登半島地震で避難生活を送る石川県輪島市の被災者を対象にオンライン服薬指導を始めた。富山県内にある薬局と避難所を結んで薬剤師が薬の飲み方を説明し、処方箋の手配も受け付ける。

 デジタルサイネージ関連事業を手がけるサイバーステーション(金沢市、福永泰男社長)との共同事業。ビデオ通話ができる同社のサービス「デジサイントークコネクト」の試験版を活用する。

 11日時点で32人が避難する輪島市東陽中学校の体育館に被災者用のモニター1台を設置。毎週火曜日から土曜日の午前8時~正午に「ほりかわ薬局」(富山市堀川本郷)とつなぎ、複数の薬剤師が対応する。

 モニター画面上の「服薬指導」の表示を押せばビデオ通話に切り替わるため、年代を問わず簡単に操作できる。処方箋もモニターを通じて依頼できる。

 ハンズファーマシーは東陽中学校区内で薬局を運営していたが、地震で休業。店舗に行けなくなった顧客のため、サイバーステーションと協業し、オンラインで服薬指導できる体制を整えた。福永社長は「要望に応じ、他の避難所でもサービスを提供したい」と語った。

© 株式会社北日本新聞社