岩手県立大、周辺企業の見学を必修に キャリア教育連携強化

周辺企業を見学する県立大生。ソフトウェア情報学部の2年生の必修科目となった=11日、滝沢市IPUイノベーションセンター

 滝沢市巣子の岩手県立大(鈴木厚人学長)がキャリア教育で周辺企業との連携を強めている。本年度からソフトウェア情報学部の2年生の必修科目に、隣接する市IPUイノベーションセンター・パーク(27社)の企業見学や講義を導入。開学以来初めての珍しい取り組みで、地場企業の魅力を知ってもらう狙いがある。大卒者の県外流出が全県的な課題となる中、地元定着につながるか注目される。

 授業は2年生171人を対象に計5回行う。11日は学生が各企業の社員から事業内容の説明を聞き、オフィスを訪問。普段は立ち入ることのできない研究室や最先端機器を見て、専門性の高い地元企業や働くことへの理解を深めた。

 県内大学では卒業生の県外就職が増加傾向にある。同大でも今春卒業した短期大学部を除く4学部の県内就職内定率は38.3%と、過去10年で最低となった。ソフトウェア情報学部の就職内定率は97.0%(前年度比0.7ポイント減)と高水準だが、県内は25.4%(同2.0ポイント増)。4人に3人が県外に流出している。

© 株式会社岩手日報社