米ブロードコム、AI半導体の売上高予想を上方修正 株式分割発表

[12日 ロイター] - 米半導体大手ブロードコムは12日、人工知能(AI)関連半導体の通期売上高見通しを上方修正し、株式分割を実施すると発表した。

これを受けて同社株は引け後の時間外取引で12%急伸した。株価は昨年にほぼ倍となった後、今年に入り30%超上昇している。

1株を10株に分割し、個人投資家が買いやすくする。分割調整後の取引は7月15日に開始される。

2024年のAI関連半導体の売上高は110億ドルを見込む。従来予想の100億ドルから引き上げた。

ブロードコムはオープンAIの対話型AI「チャットGPT」のようなAIアプリケーションで使用される膨大なデータに対応する高度なネットワーキングチップを製造している。

第2・四半期(2─4月)にはAI製品の売上高が31億ドルとなった。

ネットワーキングチップとカスタムチップを手がける半導体ソリューションズ部門の売上高は約6%増の72億ドルだった。

クリエイティブ・ストラテジーズのアナリスト、ベン・バジャリン氏は「データセンター市場がAIサーバーに移行する中、ブロードコムの(業績)上振れは大きい。(ブロードコムは)エヌビディアに次いで2番目にこの流れの恩恵を受ける」と指摘した。

クラウド企業VMウェアなどの買収を通じたソフトウエアポートフォリオ拡大を背景に、インフラストラクチャー・ソフトウエア部門の売上高は2倍以上に増加した。

通期売上高見通しはVMウェアの寄与を含め、約510億ドルとした。従来予想は約500億ドルだった。LSEGがまとめた市場予想平均は504億2000万ドル。

ブロードコムは通期の実質利益見通しも上方修正した。

第2・四半期決算は利益と売上高が市場予想を上回った。

© ロイター