「ラスト5分くらいはカオス」横浜はなぜ岐阜に苦戦したのか。キューウェル監督は「リードしてリラックスした部分が見えた」【天皇杯】

[天皇杯2回戦]横浜 2(5PK4)2 岐阜/6月12日/岐阜メモリアルセンター長良川競技場

J1の横浜F・マリノスは6月12日、天皇杯2回戦でJ3のFC岐阜と対戦した。

序盤からボールを支配した横浜は、吉尾海夏と水沼宏太の両ウイングを起点に攻撃を仕掛けるが、岐阜のコンパクトな守備を崩せない。

スコアレスで迎えた61分に井上健太、73分に村上悠緋、77分に植田啓太と攻撃陣を投入して攻勢を強めると、81分に植中朝日のヘッド弾で先制に成功する。

しかし、84分、89分と立て続けに失点し、逆転されてしまう。それでも90+7分に井上のゴールで追いつくと、延長戦を経て突入したPK戦を5-4で制し、3回戦へ駒を進めた。

【PHOTO】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集!
試合後、横浜のハリー・キューウェル監督は開口一番に「まずはFC岐阜が本当に素晴らしいサッカーをしてくれた」と相手を称賛。そのうえで、次のように振り返った。

「自分たちは良いところもあったが、前半からボールの動きが遅かったり、自分たちの前の動きがちょっと足りなくて、チャンスをそこまで作れなかった。コンディションの部分は問題ないと思っていたが、だんだん疲れが出てきて、1-0でリードできたところは良かったが、ラスト5分くらいはカオスな状況になってしまった。

だが、選手一人ひとりが諦めない姿勢を見せて、ぎりぎりで追いつき、延長に入ってからは自分たちが支配できた。最後はPK戦までもつれ込んで、どっちに転んでもおかしくない状況だったが、一番重要だった次のラウンドに進むことができて良かった」

カテゴリーが2つ下の岐阜に、なぜ苦戦を強いられたのかを問われると、指揮官は「岐阜はハードワークの部分が最初から出ていて、コンパクトにやってくるところも、ラインコントロールも含めて彼らの良さが出ていた」とコメント。続けて「1-0でリードしたあと、ちょっとリラックスしてしまった部分が、正直、自分たちのチームに見えた。やはりそういうところを見せてしまえば、相手はそこを突いてくる。結果的に我々は勝って、次のラウンドに進むが、岐阜が難しい状況にしてきたところは、自分たちをより強くしてくれたと思う。本当に素晴らしいチームだと改めて思った」と称えた。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)

© 日本スポーツ企画出版社