いわきFC勇猛果敢、秋田を破り3回戦へ サッカー天皇杯

【秋田―いわき】前半35分、先制ゴールを決めるいわきのFW有馬(左)=ソユースタジアム

 サッカーの第104回天皇杯全日本選手権は12日、各地で2回戦が行われた。

 2回戦から登場したJ2いわきFCは、ソユースタジアム(秋田市)で同じJ2のブラウブリッツ秋田と対戦。前半に先制すると後半にも追加点を挙げて2―0で秋田を破り、J1コンサドーレ札幌を撃破した2017年以来、7年ぶりの3回戦進出を決めた。

 いわきは7月10日の3回戦で、J1サンフレッチェ広島と対戦する。

 【評】いわきが秋田の堅守を破って快勝した。序盤は秋田のプレスに苦しんだが、前半35分には連係で秋田の守備を攻略し、FW有馬が先制点を決めた。いわきは後半に入ってからもボールを支配し、主導権を握った。後半28分にはCKに飛び込んだMF山口が頭で合わせて追加点を決め、突き放した。(小磯佑輔)

 貫いたサイド攻撃

 いまだ勝利したことがなかった秋田を相手に、いわきは攻めの姿勢を貫いた。先制点を決め、天皇杯3回戦への切符を引き寄せたFW有馬幸太郎は「やるべきことをしっかりできた」と充実感をにじませた。

 先制点は前半35分だった。DFの裏に抜け出したMF加瀬直輝が折り返して生んだゴール前の混戦から、FW有馬がこぼれ球を押し込んだ。「狙い通りの形だった」。有馬にとっても会心のゴールだった。ゴール直前にはFW近藤慶一が相手DFと競り合うことで、有馬の元へボールが転がるきっかけをつくっていた。

 この日は最後まで積極的なサイド攻撃が目立った。背景にあるのは、リーグ戦で味わった敗戦だ。仙台戦ではクロスが上がらず、好機を度々ふいにしたことから「クロス練習を多く重ねてきた」(田村雄三監督)。練習での強い意識付けが本番で実を結んだ。

 複数のけが人が復帰したことも勝利につながった。主力のDF照山颯人、DF生駒仁に加え、大けがから復帰したFW棚田遼が加わるなど戦力は充実している。3回戦の相手はJ1広島。有馬は「チャレンジャーの気持ちで戦いたい」と意気込んだ。(小磯佑輔)

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