閉館後にじっくり鑑賞 郡山・印象派展、福島日産が親子を招待

ナイトミュージアムで展覧会の作品を鑑賞する児童ら=郡山市立美術館

 郡山市立美術館で開催中の展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」の関連イベントとして、福島日産自動車(福島市)は12日、福島大付小の児童と保護者を招待し、閉館後の館内で「フクニチャージ ナイトミュージアム」を開催した。子どもたちが保護者と一緒に貴重な絵画の数々にじっくりと見入った。

 同社は展覧会に協賛しており、地域の子どもたちに楽しんでもらう機会を提供しようと企画した。親子ら約50人が参加した。

 この日の一般公開を終えて「貸し切り状態」となった館内で、参加者は感想を言い合ったり、音声ガイドを聞いたりしながら、フランス印象派や米印象派などの多様な作品を鑑賞した。

 参加した半谷顕(あきら)さん(6年)は「どの作品も色などが工夫されていた。(クロード・モネの)『睡蓮』が特に印象的だった」と展覧会を満喫した様子だった。

 「睡蓮」に見る日本の美

 展覧会「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵」の関連イベントで、郡山市立美術館学芸員によるスライド・トークが12日、館内で開かれた。来場者が日本と印象派の関わりについて理解を深め、展覧会をより深く楽しんだ。

 約120人が参加した。鈴木えみこ学芸員が「日本と印象派」をテーマに講話し、展覧会の注目作品の一つ「睡蓮」(1908年)を描いたフランス印象派の巨匠クロード・モネが日本の浮世絵の影響を受けていると説明。米印象派を代表するチャイルド・ハッサムの作品からは日本の美術工芸品への関心がうかがえることなどを解説した。

 鈴木学芸員は、出品された日本人画家のうち、同美術館が所蔵する斎藤豊作、太田喜二郎の作品も紹介し「日本の歴史の中では評価されてこなかったが、今回のように印象派の展覧会が開かれるほどになった。郡山市立美術館にとっても大切な作品」と語った。

 展覧会は23日まで。郡山市立美術館、福島中央テレビ、福島民友新聞社でつくる実行委員会の主催。米マサチューセッツ州のウスター美術館に所蔵されている印象派画家の作品を中心に67点を展示している。

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