大坂なおみ、完勝で6年ぶりの芝大会ベスト8入り! 次戦はアンドレスクとの全米女王対決で「とても楽しみ」<SMASH>

産休を経てカムバックを遂げた元世界ランク1位の大坂なおみ(現125位)が芝コートシーズン初戦として臨んでいる女子テニスツアー「リベマ・オープン」(6月10日~16日/オランダ・スヘルトーヘンボス/WTA250)。現地12日にシングルス2回戦が行なわれ、本戦ワイルドカード(主催者推薦)で初参戦している大坂はスーザン・ラメンス(オランダ/140位)と対戦。6-2、6-2で快勝し、ベスト8進出を決めた。

大坂にとっては2019年ウインブルドン以来約5年ぶりとなる芝ツアー出場となった今大会。現地11日の1回戦では第4シードのエリーズ・メルテンス(ベルギー/元12位/現32位)に6-2、6-4のストレート勝ちを収めて初戦突破を果たしていた。

ツアー初顔合わせとなった地元勢のラメンスとの2回戦でも、大坂が勢いそのままに圧巻のプレーを披露する。ファーストサービスの入りが39%と非常に低かった大坂だが、終わってみればブレークポイントを1度も与えることなく完勝。21本ものウイナーを奪った上に、計5つのブレークチャンスのうち4つをものにするなど勝負強さも発揮し、わずか54分で試合を締めくくった。

試合後のインタビューで大坂は、ラリーが続く傾向が強いクレーよりもポイントが短くなりやすい芝の方が「不思議なことに私にとってはフィジカルな要素が強いかもしれない」とコメント。その中で粘りのプレーができていることに胸を張った。

「芝ではコーナーに追い込まれたら、そこから挽回する力がなければ基本的にはすぐにポイントが終わってしまう。その点で私は自信が持てているし、それが今のプレーにも表れているのかもしれない」
18年6月の「ネイチャー・バレー・オープン」(イギリス・ノッティンガム/WTA250)以来約6年ぶりに芝大会でベスト8入りを果たした大坂。準々決勝で顔を合わせるのは、度重なるケガからの完全復活を目指している元世界4位のビアンカ・アンドレスク(カナダ/現228位)だ。すなわち18年と19年の全米オープン女王の注目の対決が実現することとなる。

両者は19年中国オープン(ハード)準々決勝で1度だけ対戦しており、大坂が5-7、6-3、6-4で勝利している。約4年8カ月ぶりの対戦を「非常に楽しみ」だと言う26歳の元女王は、自身とアンドレスクが共に復活途上であることを踏まえ、次のように語った。

「彼女が素晴らしい選手だということはもちろんわかっているわ。今年も一緒にプレーできるなんて本当に素晴らしい気分。2人とも復帰を目指しているし、もうほぼ復活したようなものだから、とても楽しみ」

「非常に難しい試合になるとは思う。彼女は、プレースタイルやポジションなど、あらゆる点で試合中に戦い方を変えることができるから、対戦するのが本当に楽しい選手だと思っているわ」

果たして“全米女王対決”はどちらに軍配が上がるのか。無論ファンも楽しみにしていることだろう。

文●中村光佑

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