フー・ゴーが台湾を電撃訪問、「安くて役に立つ俳優」と自己PRも

中国の俳優フー・ゴー(胡歌)が12日、フォーラム出席のため台湾を6年ぶりに電撃訪問し、行く先々で大きな歓迎を受けた。

今年のヒット作となったウォン・カーウァイ(王家衛)監督のドラマ作品「繁花」で主演を務めたフー・ゴーは、台湾でのテレビ初放送を目前にした12日に台湾入り。映画・ドラマ制作会社による商業協会が主催するフォーラムに出席した。

フー・ゴーの公式な台湾訪問は今回が4回目で、最初は2003年に撮影のため、続いて13年に舞台劇「如夢之夢」で台湾を訪れ、18年には映画祭に参加した。フォーラムでは最初の台湾入りの思い出について、当時フー・ゴーの言葉に華東エリアの強いなまりがあり、さらに台湾のなまりにも似ていると指摘されたと語った。それが今も残っていると司会者に指摘されると、「(台湾との)隔たりがないということなので、逆にうれしい」と巧みに語り、会場を沸かせた。

3年半と驚くべき長期間にわたった「繁花」の撮影だが、フー・ゴーは「精根尽き果てた」と、精神的にも肉体的にも過酷な経験をしたことを明かしている。しかし、その疲労感が浮き沈みの激しい主人公の人生を演じるのにぴったりだったといい、若い意欲的な制作者との仕事に目を向けるきっかけにもなったという。フォーラムでは台湾の若手監督らに向け、「いい作品があればぜひ僕を使ってほしい。ギャラは安いし、役に立つ俳優だから」と話しかけて笑いを誘った。

激動の90年代を舞台にした「繁花」だが、上海出身で82年生まれのフー・ゴーにとっても、当時の情景はしっかりと脳裏に刻まれている時代だという。「僕の人生の記憶の中で、最も美しい時代だった」と語っている。

今回のフー・ゴーの台湾訪問については、19年に中国の俳優や映画監督が台湾の映画祭への参加を取りやめたことをきっかけに始まった「禁足令」が緩和されつつあるのではないかという点も注目されている。(Mathilda)

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