佐野の二条通りにレトロなゲストハウス 旅行者・住民の居場所に 地域おこし協力隊の砂子間さんが運営

レトロなおもちゃや漫画もあるゲストハウスの共有スペース

 栃木県佐野市、JR佐野駅の東側の通称「二条通り」の一角で、地元有志によるまちづくり事業「ぱっと二条プロジェクト」が進んでいる。その一環として、市地域おこし協力隊の砂子間仁実(すなこまひとみ)さん(35)が運営する宿泊施設「グローバルゲストハウス」がリニューアルオープンした。昭和の雰囲気が残る二条通りの街並みに合わせたレトロな内装で、旅行客や地域住民が集まるよりどころを目指す。

 まちづくり事業は地元不動産業者が2020年に、クリケット関係者などが利用するゲストハウスを始めたのがきっかけ。その後、市内の建築士などが有志で集まり、22年1月ごろに本格始動した。砂子間さんは23年3月、協力隊に就任し、インバウンド誘客の仕組み作りなどの活動をしている中で事業の存在を知ったという。

 自身が旅先でゲストハウスのホストたちに温かく接してもらった経験から、今度は旅人を受け入れる側になりたいと思い、運営を志願した。今年2月に不動産業者から運営を引き継ぎ、内装などを新しくし、3月に宿泊者の受け入れを開始した。

 ゲストハウスは築約40年の木造2階建て。1階はダイニングテーブルなどが置かれた共有スペースで、キッチンには備え付けの食器や包丁、まな板などがあり、食材を持ち込んで調理ができる。2階は四つ客室を設け、最大10人ほどまで寝泊まりできる。

 共有スペースにはブラウン管テレビや、家庭用テレビゲーム機「ファミリーコンピュータ」など昔ながらのおもちゃ、漫画が置いてある。建物に足を踏み入れると昭和にタイムスリップしたような気分になり、どこか懐かしい空気を感じることができる。

 フリースペースもあり、希望があれば写真展などさまざまなイベントの開催に利用できる。砂子間さんは「幅広い人に利用してもらい、佐野の魅力を滞在しながら感じられる場所にしていきたい」と笑顔で話した。

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