静岡・通園バス3歳女児置き去り死「最も重い注意義務違反犯した」元理事長に禁錮2年6か月 元クラス担任に禁錮1年を求刑=静岡地裁【速報】

静岡県牧之原市の認定こども園で、当時3歳の女の子が通園バスに置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなった事件の3回目の公判が6月13日、静岡地方裁判所で開かれ、検察側は元理事長に禁錮2年6か月、元クラス担任に禁錮1年を求刑しました。

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この事件は2022年9月、静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」に通っていた、河本千奈ちゃん(当時3歳)が、通園バスに置き去りにされ重度の熱中症で亡くなったものです。当時、通園バスを運転していた元理事長の男(74)と千奈ちゃんの元クラス担任の女(48)が、業務上過失致死の罪に問われています。

起訴状によりますと、元理事長の男は、園児をバスから降ろす際、座席の確認を怠って、千奈ちゃんを車内に置き去りにしたなどの過失、元クラス担任の女は、千奈ちゃんが登園していないと気付いたにもかかわらず、「欠席」と信じ込み、確認しなかった過失があったとして、千奈ちゃんを死亡させた罪に問われています。

6月13日午前11時から始まった第3回公判で、検察側は「園児を降車させるという基本的な注意を怠り、最も重い注意義務違反を犯した。確認すれば防げた事故であり、最も重い刑事責任を負う必要がある」などとして、元理事長の男に対して禁錮2年6か月、元クラス担任に対して禁錮1年をそれぞれ求めました。

また、今回の公判では、千奈ちゃんの両親が被害者参加制度を使って法廷に立ち、意見陳述を行いました。母親は「事件以降、とてつもない喪失感に襲われている。生きていくことが辛く、本当に地獄でしかない。千奈を返してほしい」と時折、声を震わせながら訴えました。

判決は7月4日に言い渡されます。

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