相模原市補正予算案 防災強化で「水の確保」 能登半島地震で課題判明 相模原市中央区

相模原市は5月28日、市議会6月定例会議に2024年度一般会計補正予算案を提出した。予算総額は18億5800万円。能登半島地震の教訓を生かし、「水の確保」に重点を置き災害対策に取り組む。

今回の補正予算案では、能登半島地震を契機に判明した課題に対応する防災関連経費に7123万円を計上した。

市は能登半島地震の被災地を支援するため、1月以降複数回にわたって職員の派遣を行ってきた。市によると、現地での経験や見聞から災害時の新たな課題が判明し、防災関連経費の拡大に至ったという。

市危機管理課は「被災地で水道が止まり、風呂やトイレを我慢せざるを得ない状況であったことから水の確保の重要性を実感した」と説明する。

市民や事業所などが所有し、災害時に生活用水として使用される「相模原市災害時協力井戸」は現在69カ所登録されている。災害時協力井戸の水量を調査し、今後確保すべき水量を検討することなどを目的に、避難場所等整備事業に1778万円を計上した。

生活用水だけでなく、火災発生に備えた消火用水の確保にも取り組む。市警防課は「消火栓は家屋の倒壊により破損したり、断水により使用できなくなったりする恐れがあるため、消火用水を貯めるためのタンクが必要」と話す。

また消火用水および生活用水確保のための災害用貯水タンクを整備する消防活動費として859万円を計上した。

さらに、消防部隊の通信手段確保のための通信施設維持管理費に2915万円、土砂流出やがれきなどの撤去を迅速に行うためのミニホイールローダーを配備する道路維持管理費に739万円を計上するなど、災害対策を拡充していく考えだ。

このほか、相模大野ふれあい広場の返還に向けた整備費4133万円、コロナワクチン予防接種事業に関する経費8億3000万円、特別養護老人ホームなどの改修・ICT導入などにかかる補助金活用費9億24万円が含まれている。

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