裁判員制度「貴重な機会」 開始15年、富山地裁で改善点議論

意見交換会に臨む裁判員経験者ら=富山地裁

 富山地裁(富山市西田地方町)は12日、裁判員経験者と法曹三者による意見交換会を同地裁で開き、開始から15年の節目を迎えた裁判員制度の改善点について議論した。経験者の多くは「貴重な機会。怖がらずに引き受けてほしい」と呼びかけた。

 裁判員制度は2009年の開始から今年5月で15年が経過。県内は3月末までに約600人が裁判員(補充裁判員を含む)を務めた。辞退率は近年70%程度に上り、導入当初と比べ高くなっている。

 この日は裁判員経験者4人と裁判官3人、検察官と弁護士それぞれ1人が出席。経験者で富山市の60代女性は「経験者が身近な人に体験談を話し、多くの人が裁判に興味を持てるようにしてほしい」と話した。

 傷害致死事件を担当した射水市の50代女性は「専門知識がなくとても不安だったが良い経験になった」と振り返り、高岡市の40代男性は「判決後の結果を知るすべがないのは残念」と指摘した。

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