厳冬期日光の絶景捉えた写真集出版 市職員の北山さん、自著シリーズ第4弾

凍りにくいとされる中禅寺湖が凍った状態を撮影した写真。湖や海に浮かぶ氷が、風などで積み重なった様子を表す言葉「叢氷」で掲載した(北山さん提供)

 【日光】下野写真協会(SPS)会員の市職員北山建穂(きたやまたてほ)さん(49)=足尾町上間藤(まとう)=がこのほど、自然の事象と伝統色を紹介する写真集「四季彩図鑑 空と氷と花の名前」を出版した。自著のシリーズ第4弾で氷、雪や空、花に関する日本の言葉、色を224点の絶景写真で表現。氷と雪の写真は行楽シーズンと異なる顔を見せる厳冬期の市内で撮影したものが中心で、北山さんは「日光の冬の自然は美しい。普段は気づかない隠れた魅力を感じてほしい」と話す。

 北山さんは業務でカメラ撮影を始めた後、独学で技術を磨き、多くの写真コンテストで受賞歴がある。2021年に日本の伝統的な色を風景写真で紹介する「四季彩図鑑」を出版。シリーズ2、3作目も好評で4作目の刊行に至った。今作は「空」「雪」「氷」「花」「鳥」の5章立てで、風景写真を通じて224の自然事象に関する日本の言葉と87の伝統色を紹介している。

 特に「氷」「雪」の両章では、日光の冬ならでは写真をこだわって選んだ。湖や海に浮かぶ氷が風などで積み重なった様子を表す言葉「叢氷(そうひょう)」では、中禅寺湖の写真を掲載。水深が深く、風も強いため水面が凍りにくいとされる同湖の、珍しい凍った姿を見ることができる。

 また、今作で初めて、写真だけでなく長年の趣味だったイラストや挿絵を使って雪の結晶や花や鳥の絵も盛り込んだ。北山さんは「絵を描くのは大変だったが、読者の皆さんが理解を深める手助けになれば」と話している。

 A5判、128ページ。1595円。書店やインターネットなどで購入できる。(問)みらいパブリッシング03.5913.8611。

シリーズ4作目の「空と氷と花の名前」を手にする北山さん

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