横浜市港北区の師岡熊野神社、宮神輿を地域にお披露目 わが街思う心が一つに 横浜市港北区

宮神輿を担ぎ、威勢のいい掛け声とともに街の中を練り歩く一行

創建1300年の師岡熊野神社(石川正人宮司)を舞台に、さまざまな奉祝・祭礼行事が行われている。6月2日には、氏子からなる千三百年祭奉祝行事祭礼委員会が造営し、同神社に奉納した宮神輿のお披露目渡御が行われた。地域のつながりづくりを見据えた取組みが、また一つかたちになった。

宮神輿の造営に込められていたのは、「地域コミュニティの深化」への思い。製作過程では、氏子が携わった記録を残そうと、宮神輿の御簾を構成する瓔珞(ようらく)というパーツに参加者のイニシャルを刻む工夫が施された。

宮神輿を製作したのは中台製作所(千葉県市川市)。4月29日に中台製作所から御造営委員会に宮神輿が納められる際には、瓔珞を氏子の手で取り付けるなどの最終仕上げも行われた。

納受と同日、宮神輿は同神社に奉納され、お披露目渡御前日の6月1日には、御霊入れが行われていた。

迎えたお披露目渡御の日、樽町にある杉山神社で出発式を終えると、午前10時、山車や神職らに続き、師岡熊野神社氏子神輿会や友好団体等の面々に担がれた宮神輿の姿がいよいよ地域へ。雨天の予報から一転、陽光を受けて輝く宮神輿は、「エイサー」と威勢のいい掛け声とともに躍動している様子だった。沿道では、宮神輿や担ぎ手の雄姿を写真に収めようと、スマートフォンを向ける人の姿が見られた。

一行はおよそ2時間かけ杉山神社から環状2号線を経て街の中を練り歩き、正午過ぎ、師岡熊野神社に宮入りした。

「こういった行事が実現できる(力のある)街だと分かった」と話したのは、鈴木聡総代会長。石川宮司は「無事にこの日を迎えられホッとしている。多くの人たちのご協力に感謝したい」と晴れの舞台に駆けつけた大勢の人たちに目をやった。

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