「夢遊病に陥っている」「大きく損をする」角田裕毅を昇格させなかったレッドブルを専門メディア識者が痛烈批判!「単に問題を先送りにしている」

F1のオラクル・レッドブル・レーシングは6月5日、ドライバーのセルジオ・ペレスと新たに2年の契約延長を結んだと発表したが、この契約に対して海外メディアの識者は懐疑的な意見を展開している。

直近3戦での獲得ポイントはわずか3点で、うち2レースは後方スタートからのリタイヤと調子を落としているペレス。他チームのドライバーや、ついにはチームメイトのマックス・フェルスタッペンまでもが直近のペレスのパフォーマンスに対してマイナス評価するコメントを出すなど、今回の契約延長の是非が問われている。

モータースポーツ専門メディア『THE RACE』は6月12日、同サイトの識者による意見を配信した。

マーク・ヒューズ氏は、「レッドブルが正しいドライバー選択をしていないことは絶対にない。理想的には、カルロス・サインツ(フェラーリ)のような、マックス・フェルスタッペンと並んで、まともで絶え間なく競争力のあるドライバー、あるいは、ここ1年ほどの好調さを考えると、角田が昇格することを望んでいる」とした。

一方で、「(この契約の真意を理解するには)非常に不安定な環境であったレッドブルの特定の内部状況を知る必要がある」と話し、コース上でのパフォーマンス以外の面で契約が決まったとの見解を述べた。

グレン・フリーマン氏は、今の状況を「レッドブルらしくない」と評価。ジュニアチームで成果を上げたドライバーをレッドブルに急遽移籍させ、チャンスが訪れる前にマシンから降ろすといった、冷酷な判断を続けてきたチームは、絶対王者の存在でドライバー人事が変わったという。

「これまで、レッドブルは、次の大物を見つけるプロセスをスピードアップするために、全員を緊張させ、デッキをシャッフルし続けたいと常に感じていた。ひょっとすると、フェルスタッペンの長期契約が、そのモチベーションをいくらか奪ってしまったのかもしれない」と記した。

また、スコット・ミッチェル・マルムはレッドブルが「夢遊病」に陥っているかもしれないと痛烈批判した。

そして、「フェルスタッペンは2025年まで残留しているが、その先は誰にもわからない。このレッドブルのラインアップは、全体としては、せいぜい短期的な組み合わせであり、パフォーマンス指向のロジックをあまり持っていないように思われる。最近の決定は、レッドブルが単に問題を先送りにしていることを示唆しているが、遅かれ早かれこれに立ち向かわなければならないだろう。そして、その間に大きく損をするかもしれない」と、今回の決定が今後大きなマイナスの影響を与えるのではないかとの私見を綴った。

構成●THE DIGEST編集部

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