「勝敗を分けるのは最後は〇〇!」 台湾のエースvs張本智和の一戦を金メダリスト水谷隼がDEEP解説 【卓球ジャパン!】

【見逃し配信】台湾のエースvs張本智和SP|https://youtu.be/RwyQjUlP6qc

6月8日放送の『卓球ジャパン!』は、台湾のエースvs張本智和SP。世界ランク7位の林昀儒(台湾)との一戦を、ゲストの水谷隼とともにDEEPに振り返った。

「サービスとレシーブの能力がめちゃくちゃ高い」とレジェンド水谷もその才能を高く評する林昀儒。「どこに出しても強烈なチキータレシーブが待っているので、まずこのサーブ・レシーブでほとんどの選手が崩されて負けてしまいます」と語る。

そんな強敵と張本がWTTチャンピオンズ重慶(5月30~6月3日/中国)の2回戦で激突した。

今回の張本の戦いぶりを見て「結構コンディションはいいと思う」と水谷。「かなり積極的なプレーが多くて調子がいい時の張本選手に見える」とコメント。相手の強打に対してブロックで守るだけではなく、カウンターで攻め返すプレーが際立っていた。

林昀儒と言えば世界一とも言えるロングサーブが武器だが張本が見事に攻略。第2ゲーム1-2ではロングサーブを鋭いバックドライブでクロスに返球。林昀儒を台から下げて得点した。

MC平野早矢香もこのプレーに注目し、「相手の得意な長いサーブに対して1球目からフォアに持っていく。普通であれば怖さもあるボールですけど、この1球が入ることによって(相手が)長いサーブ、フォア側を警戒し、バック側の形を単純化できる。普通にバック側にポンと入れると、逆に張本選手のフォア側にバックハンドで振られる可能性がある」と平野は分析した。

そして第2ゲームの6-7では「これが現代卓球!」と水谷も大興奮の打撃戦が繰り広げられた。

中・後陣でのドライブの打ち合い、通称「引き合い」の中、張本の強烈なフォアドライブを林昀儒がバックドライブで打ち返す。

「今の時代ってバックハンドで盛り返していくんですよ。僕の時代はバックは粘る技術、フォアで頑張るみたいな感じ。(バックハンドは)めちゃくちゃ難しいんですよ。テニスじゃないんですから、こんなコートの狭いところにバックハンドでいくというのは信じられない」とさすがの水谷も驚きを隠せないほどのプレーだった。

このスーパーラリーは林昀儒のバックドライブがエッジインとなり張本が惜しくも失点。このワンプレーが響き、第2ゲームを落としたが、第3ゲームを奪い返すと、第4ゲームも素晴らしい逆転劇を見せる。

終始アグレッシブなプレーを貫いた張本。相手に連続ドライブで攻め込まれる展開でも、台から下がらず前陣をキープしてブロックでしのぐ。

「今の(ラリーは)劣勢でしたけど位置が良かったですね。この位置(前陣)をキープしながら返している。攻める側(林昀儒)としては苦しい。攻めてるけど相手(張本)が苦しんでいない、押せてる感じがしない」と平野。

加えて、平野が注目したのは7-9でのプレー。ミドルに来た林昀儒の鋭いチキータレシーブを回り込んでフォアで決めた張本の3球目攻撃だ。

「バックでも打てるけどあえてフォアハンドで動いて打つみたいなプレーが入った時、張本選手はすごくいい状態という風に私の中では思っている」と平野。

第4ゲームは5-9とリードを許したものの、フォアドライブで果敢に攻めて驚異の6連続ポイントをあげ、逆転勝利をおさめた。

パリ五輪でも対戦する可能性が高い両者。対策を練ってくるであろう林昀儒に対して、張本が再び勝利するためのポイントを聞かれ、水谷は「勇気」とコメント。「勝敗を分けるのは最後は勇気だと思います。技術はほぼ互角ですが、オリンピックは特にメンタルが試される場所。相手のミスを待ちたくなってしまうところを我慢して、攻めていけるかどうかが大事になってくる」と語った。

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