【巨人】ドロ沼連敗の中で光る萩尾匡也の躍動 関係者も「空気を一変させられる明るさ」と期待

5回、左翼への打球を好捕した巨人・萩尾

巨人は13日の楽天戦(楽天モバイル)に0―3で今季11度目の零封負け。泥沼の6連敗で4月8日以来となる借金生活に突入した。

負のスパイラルからなかなか抜け出せない。先発した井上は6回途中1失点と好投したが、打線は5回までに3併殺の拙攻で「0」を並べた。7回には失策から2点を追加され、勝敗は決した。

阿部慎之助監督(45)は「うまくいかない時はこんなもんだよな」と受け止めると、失策絡みの失点に「取れるアウトを取れなかったりとか、そしたら勝てない」と嘆いた。

そんな中、指揮官が「明るい材料が1つ見つかったかな」と話したのがこの日、一軍に昇格して即「8番・左翼」で先発起用された萩尾匡也外野手(23)だった。3回の第1打席でいきなり二塁打を放つと5回には内野安打でマルチ安打をマーク。5回には守備で好捕を見せ、攻守で躍動した若武者は「練習から気を抜かないようにってやってたんで、良かったと思います」と満足げに語った。

2022年ドラフト2位の慶応ボーイはとにかく明るい性格。7日のイースタン・リーグ、日本ハム戦(ジャイアンツ球場)では同点の9回にサヨナラソロを放ったが、延長を見据えた二軍首脳陣は継投の準備でベンチに不在。ナインもベンチに座ったままで恒例のホームでの出迎えやウオーターシャワーもなかった。

それでもホームを踏んだ萩尾は、右手を高々と挙げると笑顔で大ジャンプを繰り返してベンチへ。「ひとりマリオ状態でした」と照れていたが、そこでようやくナインから祝福を受けた。その動画はSNSでも大バズリ。一軍ナインからもこの日、散々イジられた。

チーム関係者は「連敗の空気を一変させられるのは萩尾の明るさしかない。熱血キャラの増田陸と一緒にチームを盛り上げてほしい」とプレーに加えて、〝ガヤ要員〟としての活躍も期待している。この日は〝特効薬〟とはならなかったものの、プレー以外での活躍にも期待されている。

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