河本結は勝負の年 リランキング盤石の首位も「ホッとしていない」

現在リランキング1位の河本結(撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 事前情報◇14日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6584ヤード・パー72>

今大会終了後、第1回『リランキング(RR)』が実施される。昨年もこの地でリランキングが実施され、河本結は70位で中盤戦の出場権を失った。あれから一年、今では2位に圧倒的なポイント差をつけて盤石の首位。中盤戦の出場権を手中に収める河本は何を思う?

昨年は、31試合中16試合で予選落ちと苦しいシーズンを送った。特に前半戦で苦しみ、開幕から4戦連続で予選落ち。「ヤマハレディースオープン葛城」は43位タイで終えるも、その後は2回の棄権を含め、9試合連続で決勝へ進めない時期もあった。

そして今季は、QTランキング4位の資格で前半戦に出場。開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」と2戦目の「明治安田生命レディス」こそ予選落ちしたものの、以降はすべて決勝進出。トップ10入りの常連となり「ブリヂストンレディス」ではツアー2勝目はお預けとなったが、2位タイの成績も残した。ここまでの復活劇は目を見張るものがあるが、そこには河本の絶え間ない努力があった。

以前から話していた徹底した食事管理は継続中。「全米女子オープン」に出場した際も、栄養士から渡されたメニューをもとに食事を選ぶ節制ぶり。体の”うち”から見直したことで「まだ風邪を引いていない。今シーズンは体調を崩していない」と健康状態が良くなったと話す。

さらに、2年ほど前からパッティングコーチの橋本真和氏とともに、グリーン上のパフォーマンス向上に取り組んでいるが、今年に入り、その効果は数字にも表れる。昨年の平均パット数(パーオンホール)は「1.8263」の60位に対し、先週の「宮里藍 サントリーレディス」を終えた時点で「1.7424」の1位と飛躍的に向上。「ストロークを全部変えたのと、テンポを一定にした」と大改革が奏功した。

ここまで真剣にゴルフに取り組む河本は「勝負の年っていう風に準備していた」と並々ならぬ覚悟を持って今シーズンに挑んでいる。なのでRRはあくまで通過点。「道のりの一山という感じ。ほっとはしていない」とRR1位にも満足はしていない。「いつかは優勝できると思って頑張っている」。やはり河本が目指すは優勝の二文字だ。

中盤戦に向けても「やることは変わらない。その試合に100%で迎えられる準備。しっかり準備をすればスコアはついてくる」とストイックな生活は続く。そして今大会については「一日5アンダーのトータル15アンダーを目指す」とグリーンが小さくショットの精度が試される同コースであるが、優勝スコアを高く見積もった。(文・齊藤啓介)

© 株式会社ALBA