<戦後79年さが>慰霊の祈り児童と 佐賀県被団協が原爆救護所・鹿島小訪問 原爆犠牲者弔う記念碑参拝

校内に立つ原爆犠牲者の慰霊碑を参拝する児童ら=鹿島市の鹿島小

 佐賀県原爆被害者団体協議会(県被団協)の会員が10日、長崎原爆の負傷者の救護所だった鹿島市の鹿島小を訪れ、犠牲者を弔う記念碑「平和継承之礎(いしずえ)」の前で手を合わせた。同市原爆被爆者の会の解散とともに開かれなくなった慰霊祭の代わりに行い、同小の6年生も参拝した。

 碑は市被爆者の会が2011年に建立し、毎年8月に慰霊祭を開いてきた。高齢化などで同会が21年に解散したため、県被団協が平和への思いを語り継ごうと慰霊の集いを企画した。22年に続いて2回目。

 参拝した6年生約40人は、修学旅行で長崎市の原爆資料館を訪れたばかり。元市被爆者の会副会長の樋口敏夫さん(83)から、長崎で被爆した多くの人が同校講堂で手当てを受けた話を聞いた後、碑の前で頭を下げた。樋口さんは「亡くなった人たちに思いを巡らせてくれて、うれしかった。下級生にも碑のことを伝えてほしい」と話した。

 県被団協のメンバーは近くの旭ケ岡公園に移動し、学徒動員先の長崎県大村市で空襲の犠牲となった鹿島高等女学校と鹿島立教実業学校の女学生ら10人を悼む慰霊碑も参拝した。(市原康史)

校内に建つ原爆犠牲者の慰霊碑を参拝する児童ら=鹿島市の鹿島小

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