インドネシアが為替介入、中銀総裁はインフレ抑制と通貨安定強調

[ジャカルタ 14日 ロイター] - インドネシア中央銀行のワルジヨ総裁は14日、通貨ルピアを守るために外国為替市場に介入したと明らかにした。世界情勢が不安定な中、インフレ抑制とルピアの安定を確保する金融政策運営をすると述べた。

総裁はジョコ大統領が出席したインフレに関する会議で、ルピアの対ドルレートは安定を維持すると述べた。

ルピアは午後の取引で0.9%安の1ドル=1万6415ルピアと2020年4月以来の安値を付けたが、その後は下げ幅を縮小した。

ワルジヨ氏は為替相場を安定させるために市場に介入したと記者団に述べた。

ルピア相場は「安定」しており、タイバーツや韓国ウォンなど他の新興国通貨に比べて下落率は小さいと指摘した。

「われわれはルピアを安定させるための措置を続けている。介入や海外資金の流入促進など多くの措置を講じてきた。全て順調に進んでいる」と語った。

中銀はルピアの下支えを狙い4月に予想外の利上げをした。先月は据え置いた。来週、政策会合を開く。

プルマタ銀行のエコノミスト、ジョシュア・パルデデ氏は、今回のルピア相場の下落は次回会合での利上げを意味するものではないが、中銀が直ちに金融緩和に踏み切る可能性は低くなったとの見方を示した。

中銀高官はルピアの下落について、米連邦準備理事会(FRB)が金利を長期間高水準に保つとの観測や、インドネシア次期政権の財政政策への懸念と関連していると分析した。

ブルームバーグは14日、情報筋の話として、プラボウォ次期大統領は債務残高の対国内総生産(GDP)比を任期終了までに40%を下回る水準から50%へ引き上げる計画だと報じた。

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