マイナ保険証はトラブル続きなのに…河野デジタル相は紙廃止「問題なし」一点張りの厚顔不遜

ひたすら「問題ない」の一点張りで(河野太郎デジタル相)/(C)日刊ゲンダイ

〈こっちがそちらの母国語で話してんだから、そっちが理解しようと努めろよという気持ちで、(こっちが)完璧な英語を使おうとか思わない方がよい〉──。河野デジタル相が1日、自身のブログに英語スピーチの心得を説いた一節である。

エラソーなアドバイスだが、12月2日に予定される現行の保険証廃止に国民が「残して」と日本語で訴えても「理解しよう」と努める気すらない。ひたすら「問題ない」の一点張りだ。

保険証廃止とマイナ保険証への一本化は「国民の不安払拭」が大前提だったはずだが、不安・不満は募り続けている。現行の保険証の規定を削除する厚労省令の改正に関するパブリックコメント募集について、全国保険医団体連合会(保団連)が6日にXで〈保険証を残して!の声をぜひお送りください!〉と呼びかけたところ、13日時点でインプレッションは200万回を突破。異例の反響を呼んでいる。

「資格情報が無効」「カードリーダーでエラー」

不安払拭もままならず、いまだにマイナ保険証はトラブル続きだ。

大阪府保険医協会が先月末から今月3日まで、府内の会員医療機関(約4000カ所)を対象にマイナ保険証に関するアンケート調査を実施(有効回答247件)。今年1月以降にマイナ保険証のトラブルが「あった」との回答が約64%に上った。

「具体的な事例として、『資格情報が無効』や『カードリーダーでエラーが出る』など多数報告されています。漢字が黒丸で表示されるトラブルも多い。現行の保険証が廃止された場合、受付業務が『混乱すると思う』と答えた医療機関は9割超。『受付業務に忙殺される』『待ち時間が長くなる』との懸念が噴出しています。現行の保険証がなくなったら、現場の混乱は避けられません」(府保険医協会事務局参与の田川研氏)

政府は昨年、デジタル庁にマイナンバー情報総点検本部を設置。今年1月に総点検を終えて再発防止を打ち出したが、いまだ「他人の情報が紐付けられている」などの根本的なトラブルが発生しているありさまだ。

点検本部長を務めたのは何を隠そう、河野氏である。デジタル庁に再度点検を実施するか尋ねたが、「引き続き、マイナンバー情報の正確性確保に関する取り組みを推進していきます」(広報担当)と木で鼻をくくった対応だった。

保険証廃止への不安・不満を無視して、足元で続くトラブルは放置。河野大臣は外国人に対してと同様に不遜な態度で、マイナ問題に向き合っている場合じゃないゾ。

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