びっくり!1mのマダイ、磯釣りでゲット 島根の隠岐・西ノ島 「でかくて入らんで」タモに入らず深夜に7~8分格闘 執念で岩間に引きずり、自己記録更新した岡山の会社員

1メートル、9.2キロのマダイを持つ難波聖司さん=2日(松尾丸提供)

 島根県西ノ島町の磯で今月、体長1メートル、重さ9.2キロのマダイを岡山県の会社員が釣り上げた。同町の渡船業者によると、磯釣りで1メートルの大台に乗せたのは少なくともこの10年間ではいないという。大きすぎてタモに入らず、執念で岩場の隙間に引きずり上げた。

 釣り上げたのは、釣り歴30年の難波聖司さん(55)=岡山県津山市。仲間と2人で西ノ島町の渡船松尾丸に1日未明に乗船した。西風が強く、風裏でさおを出せる赤灘周辺の磯を松尾翔平船長(35)が選んだ。

 山陰独特のタル浮きで探ったが、日中の釣果はいまいちだったという。変化が出たのは午後9時ごろ。底カゴ仕掛けに変えて、50~60センチのマダイがぽつぽつかかるようになった。クライマックスは日付が変わった2日午前0時過ぎ、30~40メートル先の浮きが消えた。

 「軽い当たりでイサキかと思った。合わせると、えらい引いた」と驚いて仮眠していた仲間を起こした。引き寄せるまで7~8分かかり、タモに入れようとした仲間は「でかくて入らんで」と諦めたほど。運よく岩間に引きずり込んだ。

 難波さんは島根半島の西部、鷺浦やトモ島(ともに出雲市大社町)でタル浮きを使ったヒラマサ釣りを続けている。マダイの自己記録は2021年4月に鷺浦で釣り上げた92センチ。自己記録を塗り替えて「休まずまき餌をしたのが功を奏した」と真夜中の興奮を振り返った。自宅に持ち帰って食べたところ、やや大味だったという。

 父親から渡船業を継いで10年になる松尾船長は「父の時代はよく釣れたと聞いている。昨秋に船からはえ縄で1メートル超えを釣ったが、磯釣りで1メートル台は初めてだ」と驚いた。

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