多発性骨髄腫で闘病中の宮川花子、救急搬送から退院したばかりも話術健在 大助に早速ダメ出し「1回落ち着け」

宮川大助(右)・花子【写真:(C)YOSHIMOTO KOGYO CO.,LTD.】

「介護男子として、すごくやってくれてます」と夫への感謝も忘れず

夫婦漫才コンビ、宮川大助・花子が14日、ABCラジオ『兵動大樹のほわ~っとエエ感じ。』(金曜正午)に出演した。多発性骨髄腫で療養中の花子は、5月25日未明に抗がん剤治療の後遺症で急に呼吸困難になり救急搬送され、6月10日に退院したばかりとあって電話出演の形をとった。花子の話術は健在で、大助に電話越しでツッコミを入れて笑わせた。

紹介されて登場した大助は「ウチの嫁はんがこの番組に出るのを楽しみにしとったんですけど、退院して間もなくてまだ体力がない。車イスに乗せるのが精いっぱいぐらいの状態なんで。後で電話でもしてもらって」と花子の現状を説明。直後に花子と電話がつながり、パーソナリティーの矢野・兵動の兵動大樹が「花子師匠!」と呼びかけると、「ハ~イ、こんにちは」と元気な声が返ってきた。

闘病生活の5年間、付きっ切りで寄り添い、花子のおむつも替えているという大助は「安心してるのは、嫁はんがあんだけ化学治療受けとって、記憶力と口だけはまともなんですよ。物忘れでもしてもいいはずなのに、横で介護してるオレが物忘れが激しくなってる。今度、75歳になるんで、高齢者免許証で更新をせないかんねん。そうするとな、何のテストがあるかいうとな、認知症のテスト受けなあかんねん。いまドキドキしてる」と告白。兵動から「いや、師匠なら絶対いけますよ」と言われたが、「どこでどうなるかわからんから」と怖がった。ここで、花子が「大助君!」と割って入り、「あのね、45秒しゃべったら1回落ち着けよな」とダメ出しして笑いを誘った。

毒舌を披露した花子だが、夫妻著の『なにわ介護男子』(28日発売)の宣伝とともに「介護男子として、すごくやってくれてます」と夫への感謝も忘れなかった。認知度が高くない『多発性骨髄腫』についても「皆さんと語り合いたい」とした。大助は「化学治療で治る人、手術で治る人もがんの種類によってはあるんやけど、嫁はんの場合は寛解は…、完全には治らないという、だから長い治療はしましょうということで、いま頑張ってくれてんねんもん。その間に強烈ながんの治療が入ると、後遺症がやっぱり出てくる。その後遺症で2回、救急車で意識不明で運ばれてる。だから『今回(舞台に)出ます』言うて前もって約束してても、どこでどうなるかがわからないんで。会社もはっきりした日付をとって、仕事に行かれへんねんもん」と夫婦での活動が難しい状況を説明した。

大助は「オレに力があれば。ナンボでも(1人で)行けんねん。オレがひっくり返ったときは、嫁はん1人で働いとったんやもん。嫁はんがひっくり返ったら、オレずーっと自宅待機やもん」と嘆いた。兵動が「師匠、でも1回、会社に”オレ行けるで”って言ったんですもんね」と聞くと、「そうや。会社が”休んでくれ”言うて」と返して笑わせた。花子は「会社に言うたんですよ。”ちょっと大助にチャンスを与えてくれ”と。そうしたら連絡来て”じゃあ、今回大助師匠1人でも”って言うてくれはってん」と自身のアピールが奏功したとし、「私は”電話で出てくださいよ”って言うてもらった」と付け足した。

4月23日に5年ぶりに大阪・なんばグランド花月に夫婦で出演した。大助が「あんな体力ないのに、嫁はんが普通に舞台で笑いとるんですよ。嫁はん、車イスに乗ってるんで、僕もイス置いて、2人で座って漫才しますねん。これがホンマの『座・漫才やな』とかいいながら」と会心のネタを披露すると、花子は「これ、3日前から考えてはった。”ウケるかなあ”言うて」と笑いにした。

兵動から絶妙な”間”が不変だと言われた花子は、「病院で夜中2時までネタ考えてました」と打ち明けた。兵動から「笑いにより貪欲になりましたか」と質問されると、花子は「楽しいなと思いました。それまでね、結婚してからずっと”いつやめよう。漫才、いつやめよう”と思ってたけど、今回、病気して入院してから、お客さん待ってくれてるじゃないですか。これいかんなと思って、”絶対元気な姿で笑い届けたい”って」と笑いへの考え方が変化したと明かした。花子は「新人コンテストとかいろいろあるじゃないですか。終わった人に会ったら、いろいろ言うようにしてんねん。”おめでとう、良かったね。イケてたね”そんなの聞きたないやんか。そやから勝った子にな、“今回、勝因はなんや”とか“何で勝てたんや”とかそれは聞くんです。“うわ、そんなん聞かれたことない””それやったら考えなあかん。次の勝負でけへんで”とか」と、若手にアドバイスしているとした。兵動は「師匠はずっと、ずっと、ずっとお元気でいていただいて、そういうことを言っていただけるのは吉本の宝でもあるじゃないですか」と思いを語った。

ひと足先に花子の出番が終わる際、「ご苦労さん。元気な声で良かったよ~。アイ、ラブ、ユー」と妻に声をかけた大助。8月に70歳を迎える花子が「古希のイベントを東京、名古屋でもやりたい言うて。”あんた、口出すなや”いうて(言われてる)」“”3大都市ツアー”を希望していると明かし、兵動は「すごいなあ。すごい元気やなあ」と驚嘆した。最後に兵動から再度の出演をお願いされた大助は「夫婦でもういっぺん改めて行こうと」と約束していた。ENCOUNT編集部

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