蓮舫氏「ブラックボックスを開けたい」 都知事選向け“神宮外苑再開発”“政治とカネ”問題などへ今後の対応を語る

日本外国特派員協会で会見を行う蓮舫氏(6月14日都内/弁護士JP編集部)

6月14日、日本外国特派員協会(東京都)で、東京都知事選挙への立候補を表明した蓮舫氏が記者会見を行った。

神宮外苑の再開発問題を強調

蓮舫氏は5月27日に立候補の意向を表明。6月12日に、立憲民主党に離党届を提出した。現在は参議院議員の職を継続しているが、20日における都知事選告示日の正式な立候補に伴い、自動失職となる。

「今回は、都知事になったら何をしたいか話します」(蓮舫氏)。具体的な政策については「詳細は最後まで詰めたいので、来週に発表したい」としつつ、会見では小池百合子現都知事を批判しながら、自身が都知事になった際に予定している政策の概要を語った。

蓮舫氏がまず取り上げたのは「再開発のあり方」について。とくに、明治神宮外苑の再開発の見直しを主張した。

「人口が減少していく東京で、10年前の計画に基づいて緑を伐採するようなことは、本当に必要なのか。

神宮外苑の再開発は、いちど立ち止まるべきだ。多くの市民が“おかしい”と声を上げている」(蓮舫氏)

2023年9月、小池都知事は、神宮外苑の樹木の保全策を具体的に示すよう事業者に対して要請した。蓮舫氏はこの対応を「きわめて評価ができる」としながらも、現在に至るまで事業者が返答を提出しておらず、小池都知事も再要請を行っていないことを批判した。

「予算のブラックボックスを開ける」“政治とカネ”問題にも言及

蓮舫氏は都の予算の問題についても語った。

「東京は豊かな都市。年間の予算は8・5兆円、特別会計を入れると17兆円、補助金だけで年間1・7兆円ある。この補助金が誰に流れているのか、どういう形でどの事業者や自治体に流れているのか、残念ながら、都民やジャーナリストが客観的に調査することはできない。

私はこのブラックボックスを開けたいと思います」(蓮舫氏)

蓮舫氏は円安が進み国民の生活が厳しくなっているからこそ、東京都民が納めた税金の使われ方を明らかにすべきだと主張。「自分の最も得意な、行政改革を行いたい」と語った。

また、国会における「政治とカネ」の問題についても言及。自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件に触れたのち、以下の通り宣言した。

「政治とカネの問題、私自身が疑われることのないよう、大規模な権力に臨む立場として、政治資金パーティーは行いません」(蓮舫氏)

会見後、蓮舫氏は「スピーチと質疑応答。神宮外苑再開発、貧困や格差などへの関心が高かったです」とXに投稿した。

外国人参政権は検討せず

質疑応答では、複数の外国人記者が、多様性や国籍に関わる質問を投げかけた。

外国人政策に関する質問については、経済面では外国人が働きやすい環境を加速させることや、教育面では日本語の読み書きが難しい外国籍の子どものために都が対応を行うことなどに言及。

一方で、昨年に武蔵野市でも議論された外国人にも投票権を認める住民投票制度については「現段階で、(外国人の)政治参加について具体的に私が検討していることはありません」と回答した。

ジェンダー政策に関する質問には「まだ日本のジェンダーは道半ばだと思っています」として、積極的に関わる意向を表明。

また、小池都知事との選挙戦がメディアで「女傑対決」と表現されることについて「男性同士の選挙でそんなことが言われますか?」と苦言を呈した。

その小池都知事も、6月12日、3期目を目指し立候補の意向を正式に表明した。他にも50名以上が立候補の意向を示している。

都知事選の投票日は7月7日(日)。

© 弁護士JP株式会社