セツと八雲の配役、ネットで推される俳優は? 2025年秋NHK朝ドラ「ばけばけ」夫婦の人物像を探る

小泉八雲と妻・セツが住んだ小泉八雲旧居=松江市北堀町

 「ヘルン先生」を演じるのは誰がいいかな?  では、セツさんは?

 2025年秋からのNHK連続テレビ小説が、名著『怪談』で知られる松江ゆかりの文豪ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の妻・小泉セツ(1868~1932年)をモデルにした「ばけばけ」に決まり、ネット上では配役に注目が集まっている。ヒロインの松野トキ役や、松江ではハーン、八雲でなくヘルン先生と親しまれた相手役は、どんな個性の俳優がいいのだろうか。

 ヒロイン役などはオーディションで決まることもあり、松野トキ役についてネット上では具体的な俳優名の言及は少ない。「オーディションするといっても売れてる若手なんじゃないの」「以前は実質デビューのような新人が選ばれることが多かったけど、今はどうかな」との指摘も。

 シンデレラガールの発見や、埋もれている才能の発掘をオーディションに期待し「あまり知られてないけど実力も華もある人を」と望む意見もあった。

 一方、相手役は、俳優の村雨辰剛さんを推す声が続々。村雨さんは21年度の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で、米軍将校の役を好演。同じドラマでナレーションを担当した城田優さん推しもある。

▼八雲とセツ、どんな人?

 実際に小泉セツの見た目や雰囲気、所作がどんなだったかは資料に乏しい。武家の生まれであること、八雲の執筆を支えセツなしでは八雲の人生は全く別物になったという指摘があること、4児の母だったことなどを総合すると、適役はりりしさと、明治の時代性を反映し和服の似合う「良妻賢母」な雰囲気を持った人といったところ。

 八雲は父がアイルランド人、母がギリシャ人。怪談の執筆が証明するように、霊的なものに強くひかれる傾向を持っていたという。となると重要なのは、まず神秘的、ミステリアスなオーラをまとった人物か。両親の不和や、母親に離縁される不幸な生い立ちも重なり、明るく朗らかな八雲像は想像しにくい。ドラマでは、妻の内助の功により穏やかで明るくなる場面を見たい。ちなみに八雲は当時の日本人と比べても大柄な方ではなかったとされる。

 八雲とセツのひ孫に当たる、小泉八雲記念館(松江市奥谷町)の小泉凡館長(62)は「夫婦の生き方に興味を持ってもらえる方、あるいは共感してもらえる方ならどなたでもいいと思う」と話している。

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