ケプカ、デイ、片山晋呉… “使用者ぞくぞく”スリクソンのアイアンを今こそ中古で

アダム・スコットは「ZX5 MkII」と「ZX7 MkII」、「Z-FORGED II」の3機種コンボセットで使っていた

ダンロップ(住友ゴム工業)のアイアンがツアーで好調だ。国内女子ツアーで多くのシェアを誇り、PGAツアーでもジェイソン・デイ、アダム・スコット(ともにオーストラリア)ら契約外でも使用した選手がいる。シニアツアー初優勝を挙げたばかりの片山晋呉も手に取った。中古市場でチェックしてみよう。

「スリクソン」の歴史 ゼクシオの陰に隠れていた時代も

ツアーバンの中にあるスリクソンのヘッド。PGAツアーでも人気

アイアンの歴史的名器としては、ジャンボ3兄弟が使ったブリヂストン「ジャンボMTN3」や中嶋常幸のミズノ「TN87」が有名だが、ダンロップにも「DPシリーズ」という名作があった。1988年に発売され、当時のプロや上級者がこぞって使用したアマチュア憧れの商品だ。

1992年にスタートした「MAXFLI DPシリーズ」、1997年からの「ニューブリードシリーズ」も人気があった。「スリクソン」ブランドの立ち上げは2002年。やさしさを前面に押し出した「ゼクシオ」ブランドとともにダンロップの両輪を担ってきた。松山英樹をはじめ、ブルックス・ケプカやシェーン・ローリー(アイルランド)、キーガン・ブラッドリーらメジャー王者を契約選手に抱えている。

人気は最新モデルのZX5 MkII、ZX7 MkII

筆者も愛用中の2代目「ZX5」アイアン

海外ブランドに負けじとアイアン市場で上位に食い込んでいるのが「スリクソンZX5 MkII」(2022年)だ。国内女子ツアーで山下美夢有や小祝さくらが使用し、クラブにうるさい片山晋呉も使用しているモデル。プロ使用モデルにしては、ヘッドサイズがやや大きめで、キャビティも深い。ロフト角は7番で31度。ソールは広いが、V字型の2段ソールが抜けを良くしている。肉薄フェースを採用しており、初速も出る。実は…筆者も愛用中だ。中古でもまだまだ人気があるようで、スチールシャフト装着6本セットで9万前後が相場になっている。

上級者モデルの「ZX7 MkII」(2022年)は、男子プロにも人気。デイやケプカが使用している。ヘッドはZX5 MkIIよりもやや小ぶりだが決して小さくはない。フェースは打点付近を肉厚にしているため打感も良い。7番で32度とプロ使用モデルとしては少なめのロフト角となっている。ZX5 MkIIと比較して極端に難しくなっていない点がうれしい。スチールシャフト装着6本セットで9万前後が相場だが、販売店限定モデルのため数は少ない。

コスパ重視のオススメモデルは

「Z765」と「Z565」がおススメ

「カッコよくて、やさしさくて、しかも安いアイアンはない?」と、友人によく聞かれる。真っ先に思い浮かぶのが、「Z565」(2016年)だ。やや大きめのヘッドサイズと、深いキャビティでロフト角は7番で31度。ZX5 MkIIと同じコンセプトで作られており、違うのはやや弾くようなフェースの打感ぐらいだろう。スチールシャフト装着6本セットが4万前後で見つかった。

もう少し打感にこだわりたいならZX7と同じコンセプトの「Z765」(2016年)はいかがだろう。前作の「Z745」(2014年)との価格差があまりなく、まだ高価な次作「Z785」(2018年)よりもコスパが良い。スチールシャフト装着6本セットで、4万円前後で見つかるだろう。オーソドックスな軟鉄鍛造アイアンは、性能差を出すのが難しい。状態や装着シャフトによって「Z765」にするか「Z745」にするか決めても良い。なお、グリップのチェックもお忘れなく。

スリクソンにも“飛び系”があるぞ

「4」シリーズも隠れた人気(左が初代、右が2代目)

「ZX4」(2020年)、「ZX4 MkII」(2022年)はスリクソン初の“飛び系”アイアンだ。どちらもフェースがステンレス鍛造でボディはステンレス鋳造。7番でロフト角が28.5度と少なく、中空構造で飛距離性能が高くボールが上がりやすい。初代ZX4はいかにも中空という形状だが、ZX4 MkIIは、他のMkIIに近い形状になっている。

見た目は硬派、実はやさしいというモデルをお探しならオススメしたい。価格はスチールシャフト装着6本セットでZX4が5万円前後、ZX4 MkIIは9万円前後。ただし、どちらも5番と6番アイアンのロフト差が2度しかなく、飛距離差が作りにくいのが難点だろう。

スリクソンのアイアンに採用されているV字型のソールが高い評価を得ている

スリクソンのアイアンヘッドはクオリティの高さが際立つ。組み立ても丁寧と業界内での評価が高い。純正のアイアンシャフトも独自のこだわりでシャフトメーカーとの共同開発を使っている。様々なモデルがあるので予算に合わせてじっくりと選んで欲しい。(文・田島基晴)

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