35周年のカブキロックス、突然のトレンド入りにびっくり「何かやらかしたのかと」 タモリへの感謝も

取材に応じたカブキロックス【写真:ENCOUNT編集部】

「コンプライアンスを守ってかぶいていきたい」

TBS系『イカ天』に出演し、大いに話題となった歌舞伎風メイクを施したロックバンド・カブキロックスが14日に東京・渋谷La.mamaで35周年記念ライブ『カブキロックス35周年記念ライブ 傾き物語~歴代演者揃い踏み~』を開催する。開演前には結成時のオリジナルメンバー5人が報道陣の取材に応じた。

カブキロックスは1989年に『イカ天』に出演し、翌年『O・E・DO(お江戸)』でメジャーデビュー。歌舞伎風メイクで『東洋グラムロック』『和洋折衷の歌謡ロック』をコンセプトに、同年の全日本有線放送大賞新人賞を受賞するなどバンドブームの一翼を担った。14日のライブでは、氏神一番(Vo)、青木秀麻呂(Gt)、大槻セイシロー(B)、坂川美女丸(Gt)、井上晴之介(Dr)の、メジャーデビュー時のオリジナルメンバー5人が集まった。オリジナルメンバーが集まってのワンマンライブは約20年ぶりになる。

取材に先立ち、ボーカルでリーダーの氏神一番は「最近、カブキロックスの名前がトレンド入りしましてびっくりして『何かやらかしたのか』と思いましたが、青山剛昌さんが『YAIBA』の新作アニメをやるということで、カブキロックスが『YAIBA』のOPとEDをやってたので、トレンド入りしたということでした」と、近況を報告。そのアニメ『剣勇伝説YAIBA』の主題歌『勇気があれば』を、5人でパフォーマンスした。氏神は最近、東京都知事選に立候補を表明した清水國明から応援演説を頼まれたそうだが、「演説は断ろうと思います。政治はこりごりで」と笑い話を告白。「僕たちは浮世の鬼を退治して35年、温故知新の精神で、カブキロックスの暖簾を大切に、美味しいせんべいを売っていくように売り続けたいと思います」と意気込んだ。

青木秀麻呂は「35周年で自慢できることはあまりないんですが、誰1人逮捕されてないことが、我々の唯一の名誉で。コンプライアンスを守ってかぶいていきたいと思います」と笑った。

「10秒で指の感覚がなくなって、眠ったら死ぬなと」(坂川)という「さっぽろ雪まつり」での極寒のライブなど35年間の思い出を振り返っていく中で、氏神は90年から94年まで放送されていた『タモリの音楽は世界だ』(テレビ東京系)に出演した時のことを挙げた。「グラムロックの代表に選んでもらって。普通のロックは鋲や鎖を巻いているんですが、グラムロックは羽根をつけたり派手な格好をして、マーク・ボランやデヴィッド・ボウイのような。他のグラムロックバンドに恨まれましたけど、タモリさんに選んでいただいて嬉しいかぎりです」とタモリへの感謝を語った。

「40周年、50周年になってもやれる時にやりたいですが、今日が最後になるかもわからない。このメンバーでは本当に最後になるかもしれません。のれんを大事にして頑張っていきたいと思います」(氏神)と、デビューから35年を経てもなお、“傾いていく”気概を見せて会見を終えたカブキロックス。ライブは14日19時より行われる。ENCOUNT編集部

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