【ソフトバンク】ドラ3広瀬隆太 プロ初弾は阪神・伊藤将から決勝2ラン! 記念球は「両親に」

試合後、ファンから祝福されるソフトバンク・広瀬隆太

背番号33の若鷹がヒーローになった。ソフトバンクのドラフト3位・広瀬隆太内野手(23)が14日の阪神戦(みずほペイペイ)に「9番・二塁」で先発出場し、5回にプロ第1号となる先制2ラン。自ら放った記念すべき一発が決勝弾となり、チームも2―0で快勝した。

プロ初の一発が貴重な先制弾となった。0―0で迎えた5回、二死走者なしからこの日プロ初スタメンの笹川が初安打となる中前打を放つ。さらにはプロ初盗塁も決め、きっちりとお膳立て。二死二塁の好機を作った。この流れに乗ったのが次打者の広瀬だ。

「笹川がヒットと盗塁でチャンスメークしていい流れを作ってくれた。その勢いで思い切ってスイングをすることができた」というルーキーは相手先発・伊藤将の高めに浮いた速球を完璧に捉えると打球は放物線を描き、左翼テラス席へと飛び込んだ。広瀬は「打ったのは真っすぐ。先制のホームランとなって良かったですし、初ホームランなのでうれしい」と笑顔を見せた。

長距離砲として将来が期待される若武者の一発に、本拠地スタンドは大盛り上がり。左翼席の虎党からはため息が漏れ伝わったものの、球場の大半を埋め尽くした鷹党は大歓声だ。ベンチのチームメイトは両手を挙げて喜び、小久保監督も満面の笑みで広瀬を出迎えた。

笹川とともに初めてヒーローインタビューの壇上に立った広瀬は、決勝弾となった自身のプロ初アーチについて「追い込まれていたが、前の笹川がプロ初ヒット打ってすごい勢いに乗っていたので、僕もその流れに乗ってホームランを打つことができた。何とか入ってくれてよかったなという感じです」と白い歯をのぞかせた。

プロ初アーチの記念球は「両親に贈ります」と一言。そして「なかなかヒットもそうですけど、ホームランも出てなくて今日ホームラン出て吹っ切れたと思うので、明日から頑張りたいと思う。なかなかチームに貢献できなくて悔しい思いもしていたので、こうやって初めて勝利に貢献できたという実感があってとてもうれしい」と。最後は「これがスタートラインだと思う」と口にすると、万雷の拍手を浴びた。

自身のメモリアルアーチが飛び出す前、広瀬は本塁打について「ヒットの延長線」というスタンスを胸に秘めていることを打ち明けていた。実際に「まずはヒットを打っていって、慣れてきたらいずれホームランが出たらいい」と力強く語っていただけに、その言葉通りに長距離砲としての片りんを早くも見せつけた格好だ。

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