優成サービス 「トイレの備え」広がる 県内2例目の災害時協定 海老名市・座間市・綾瀬市

写真上は協定を締結した八木社長(右)と山上町長、写真下は福祉バイオトイレカー

海老名市国分南の警備会社「優成サービス株式会社」(八木優社長)は5月28日、足柄上郡開成町(山神裕町長)と災害時に同社所有の福祉バイオトイレカーを提供する協定を締結した。同社の協定締結は海老名市に次いで2例目となる。

福祉バイオトイレカーは、車いすの障害者や高齢者が気兼ねなく使えるトイレとして2008年に同社が開発。トラックの荷台に個室のトイレやシャワーを備えており、車いすに乗ったままでも利用できるよう、昇降リフトも搭載している。

環境への配慮も特徴で、排泄物は水を使用することなく、タンク中のおがくずに含まれる細菌で分解。仮設トイレよりも臭いが少なく、タンク下のヒーターでおかくずを温めて乾燥することで定期的な手入れは不要という。繰り返し使用したおかくずは堆肥に再利用できる。

同社は東日本大震災や

熊本地震、北海道胆振東部地震などで被災地の避難所へ車両を派遣。能登半島地震では、道路復旧を進める建設会社の要請で、石川県輪島市に車両を配備した。

協定は、車両の販売を目的に近県の自治体へ案内状を送付したのがきっかけで、同町から災害時協定の打診を受けた。

締結式には同社の八木社長と八木正志会長が出席。山上町長に実車を見せながら、車両の装備や特徴を説明した。

同社の八木社長は、「車両のセールスが本来の目的であったが、災害時に障害者や高齢者のトイレ問題に目を向けてもらう大きな一歩になったと思う」と話していた。

福祉バイオトイレカーは北海道苫小牧市が公用車として購入した実績があり、今後について八木社長は「自社の所有車両は5台なので派遣は限りがある。引き続き販売に注力したい」と話した。

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