平塚市補正予算 災害対策の事業費手厚く 備蓄品拡充などで1億円超 平塚市

折り畳み式給水タンク(市提供)

1月に発生した能登半島地震を受け、平塚市は災害対策を強化する。発災直後から問題となったトイレ環境の整備や水の確保に向け、備蓄品などの配備を加速。6月5日に開会した市議会第2回定例会に、関連費用として総額約1億2733万円を盛り込んだ補正予算案を提出した。

ラップ式トイレ各避難所に追加

排泄物を密封して処理できる自動ラップ式トイレについて、市内52カ所の避難所と福祉避難所9カ所に2台目を追加で配備。洋式型のため、足腰の弱い高齢者などでも使いやすいという。

避難所の利用者や在宅避難者に配布する携帯トイレは、備蓄枚数を9000枚ほど増やして14万6250枚に拡充する。緊急時の受け入れ施設として市と協定を結ぶ市内25法人・54施設にも、備蓄用携帯トイレを配備する。

水確保へ給水タンク

水の確保に向けては、1トンの水を入れられる組み立て式の給水タンク30個を新たに購入。市ではこれまでポリタンク30個を保有していたが、組み立て式と置き換えることで保管スペースを減らせるほか、運搬性も高まるため迅速な給水拠点の設営につながるという。

市民が雨水貯留槽を購入する際の補助制度も拡充する。能登半島地震で断水時の水確保に関心が高まったこともあり、今年度の申請は予算額に達していたが、新たに16件分の申請枠を設けた。容量100リットル以上の貯留槽を設置する際に、3万円を上限に購入費の2分の1を補助する。

補正予算では、女性の避難所生活に配慮した事業費にも約75万円を盛り込んだ。水を使わずに洗髪が可能なドライシャンプーやエチケット袋、携帯用のおしり洗浄器を新たに購入。避難所で声を上げにくい女性の健康に向けて必要となる備蓄品を充実させた。

能登半島地震の被災地支援に向け、市では1月から3月までに延べ72人の職員を派遣。現地で活動した消防隊員や保健師などからは、トイレや水の確保といった問題に直面したことなどが伝えられたという。

補正予算に計上した備蓄品などは、7月から9月末に配備される予定。

木造住宅耐震化補助額引き上げ

1981年5月31日以前の旧耐震基準で建築された木造住宅の耐震改修費用については、補助限度額を現行の90万円(非課税世帯120万円)から120万円(同160万円)に引き上げる。今年度から2カ年限定の施策で、市によると、引き上げ後の補助限度額は県内最高額になるという。

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