鷺沼駅前 夕夜にふらっとおしゃべり 20代企画の酒なし社交場「夕夜カフェ」 川崎市宮前区

来店者と談笑(6月7日)

「お酒なしで、ふらっと寄れる場を」――。鷺沼駅前で5月下旬から、夕方から終電近くにオープンする話すことが前提のコミュニティースペース「夕夜カフェ」が開催されている。「オーナー」の須田展正さん(28)は「仕事帰りや学校帰りに、気軽に話をしに立ち寄ってもらえれば」と呼びかける。

「夕夜カフェ」は、さぎ沼会議室(鷺沼3の1の40)で、水〜日曜に開催。日ごとに異なるが、午後6時頃から開かれる。ドリンク1杯1000円で時間無制限。酒類の提供はない。雑談のほか、PC作業も可能だ。

始めたきっかけは実体験。体調を崩し、処方薬との相性で酒を飲むことができなくなった須田さん。それまで、友人と会うのに酒の場は必然。その場での会話で救われてきたことも多かった。

ただ話をする空間を

一方、状況が変わったことで「酒に頼らなくても、気軽に集える空間をつくってしまえばよいのでは」と思いついた。「病気、育児など何らかの事情でお酒を飲めない人がいる。そもそもお酒が苦手という人、飲む気分ではない人もいる。ふらっと来て、ただ話をする。そんなことができたら楽しいかも」

スタート1カ月前に企画し、知人を頼って同所でのオープンにこぎつけた。間接照明など備品を揃え、オープンかつ居心地の良い雰囲気づくりに努めている。

駅前の立地もあり、会議室前の看板から興味を持つ人も多いという。6月7日には、前々日に看板を見た男性が仕事終わりに訪れた。身の回りの話題に花が咲き、男性は晴れやかな表情で帰路についていた。

須田さんは訪れた人の話を聞くことに徹する。スタンスは「お地蔵さんになること」だ。「相談だとしても明確な助言はしない。素性も詳しくは聞かない。誰かがいて、ちょっとしゃべるだけで違うと思うから」

今後は、テーマに沿って議論を交わす「哲学カフェ」などの企画も考えているという。オープン時間など詳細はインスタグラム。

コーラ片手に笑顔の須田さん

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