ECB総裁、仏市場混乱にコメントせず 「インフレ抑制が使命」

[ドブロブニク(クロアチア) 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は14日、フランス金融市場の混乱についての質問に回答を避けた。フランス市場では総選挙への警戒感から国債のリスクプレミアムが2011年以来最大の上昇を記録したほか、株式も激しい売りに見舞われている。

ラガルド総裁は、ECBがフランス支援のため緊急国債買い入れ措置の利用を検討するかとの質問に対し「各国の政治情勢についてはコメントしない」と述べた。その上で、「ECBの使命はインフレを抑制し目標に戻すことだ」とした。

ECBは2022年、国債利回りの上昇を抑えるための買い入れ措置「トランスミッション・プロテクション・インスツルメント(TPI)」を導入。健全な経済政策を遂行しているにもかかわらず市場の圧力にさらされている場合、ECBが無制限に国債を購入できる。

フランス総選挙を巡る世論調査では、欧州議会選で躍進したマリーヌ・ルペン氏の極右「国民連合(RN)」の勝利が予想されている。RNは電気料金の値下げ、ガスの付加価値税(VAT)引き下げ、公共支出の拡大を公約に掲げている。

フランスのルメール経済・財務相は14日、総選挙で極右が勝利すれば、金融危機のリスクに直面すると述べた。

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