キャバン・ビジオがドジャースへトレード加入。大谷翔平の新たな仲間は殿堂入り二塁手の父を持つ”ユーティリティ2世”<SLUGGER>

現地6月12日、大谷翔平(ドジャース)にまた新たなチームメイトが誕生した。7日にブルージェイズをDFA(事実上の戦力外)になっていたユーティリティのキャバン・ビジオがトレードで加入したのだ。

今季はキャリアワーストの打撃不振に苦しんでいることもあって、ブルージェイズではメジャーからはじき出されてしまったビジオだが、本来は一塁・二塁・三塁に外野の両翼もこなせる汎用性を持ち、優れた選球眼でもチームに貢献できる力がある。

メジャーデビューした2019年には早速二塁のレギュラーポジションを奪取。29試合連続出塁の球団新人記録を樹立し、9月にはサイクルヒットも達成するなど活躍して新人王投票5位に。短縮シーズンとなった翌20年も60試合中59試合に出場するなど、最初の2年間はレギュラー格の立ち位置だったが、その後は怪我もあって徐々に出場機会が減少。それでもスーパーサブとして役割をまっとうし、通算盗塁成功率は91.4%(32盗塁で失敗3のみ)と高い数字を残すなど随所で存在感を発揮していた。
また、プレースタイルとは直接関係ないが、1990年代にアストロズで活躍し、通算3060安打を放った殿堂入り二塁手クレイグ・ビジオの息子であることも明記しておかねばならない。ブルージェイズでは同じく往年の名選手を父に持つブラディミール・ゲレーロJr.やボー・ビシェットと“2世トリオ”を組み、2人の兄貴分的存在として活躍した。

ビジオはドジャースで、主に対右投手用のプラトーン要員を務めることになるだろう。実は新たにチームメイトとなった大谷とは、実は奇縁がある。12年のU-18ワールドカップで代表として対戦しているのだ。この時はビジオのいたアメリカ代表が10対5で日本を下している。かつてのライバル同士が、10年以上の時を経て共闘するのが今から楽しみだ。

構成●SLUGGER編集部

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