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■【トピックス4】20位からの逆襲!山口が前半戦5位
J2リーグは6月15、16日の第20節から後半戦に突入する。そこで、前半戦の戦いから5つのトピックスを選び、後半戦の見どころをお伝えしていく。(#2、トピックス4、5)
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前半戦をどこよりも盛り上げたのは、レノファ山口FCだっただろう。昨シーズンはJ2残留ギリギリの20位でフィニッシュしたチームが、9勝4分6敗の5位で前半戦を終えたのだ。
就任1年目でJ2初挑戦の志垣良監督は、GK関憲太郎とCBヘナン、CBキム・ボムヨン、右SB前貴之の経験者に21歳の左SB新保海鈴で最終ラインを構成し、昨シーズン67失点の守備を大幅に改善した。クリーンシートは8試合を数え、失点15はV・ファーレン長崎、いわきFCと並んでリーグ最少2位タイだ。
昨シーズン42試合で37得点に終わった攻撃も、前半戦だけで25得点をマークしている。4-4-2のシステムで2トップの一角を担うFW梅木翼が、183センチの高さを生かして制空権を握り、攻撃の起点になっている。シンプルだが迫力のある攻撃で、清水を2対0で撃破した。横浜FCとも引分けている。
志垣監督はFWの選手をサイドハーフで起用するなど、保有戦力の最大値を引き出してきた。清水や長崎に比べると選手層に不安があるものの、この指揮官ならその時々で最適な組合せを見つけるのでは、との期待は膨らむ。後半戦の山口に注目だ。
■【トピックス5】チームに勢いをもたらすフレッシュな力が出現
今シーズンのJ2でも、フレッシュな力が台頭している。
首位を走る清水では、MF西原源樹が新風を吹き込んでいる。チーム最年少出場と最年少得点の記録を更新した17歳は、ここまで12試合出場2得点を記録している。左サイドからのドリブル突破が最大の魅力で、クラブの未来を背負うタレントである。
2位のV・ファーレン長崎では、20歳のタレントが存在感を示している。DF田中隼人とMF笠柳翼だ。
柏レイソルから期限付き移籍中の田中は、左利きのCBだ。開幕から4バック中央を担い、ここまでフルタイム出場を続けている。CBとしての強さに加え、正確なフィードで攻撃の起点にもなっている。
笠柳は4-3-3の左ウイングを定位置とし、ドリブルで仕掛けながら自らゴールを狙う。選手層の厚いチームでプレータイムを伸ばしており、1得点4アシストの数字をどこまで伸ばせるのかも注目だ。
4位の仙台ではドリブラーが覚醒中だ。21歳の相良竜之介と23歳のオナイウ情滋である。
相良は左サイドからのカットイン&ミドルシュートを得意とし、5得点3アシストを記録している。オナイウは右サイドの「槍」で、一気の加速から縦突破でクロスを供給する。チームがJ1自動昇格圏へ食い込むために、彼らの活躍が欠かせない。
■下位チームで奮闘する神代と南野
5位のレノファ山口FCでは、新保海鈴がブレイク中だ。テゲバジャーロ宮崎、いわてグルージャ盛岡へのレンタルを経て復帰した今シーズン、左SBでありながら攻撃力を存分に見せつけ、リーグ2位タイの7アシストをマークしている。新保海鈴(しんぼ・かいり)という名前は、覚えておいたほうがいい。
8位のいわきFCは、フレッシュなタレントが揃う。大卒1年目でアンカーを担う大西悠介は、デュエル、インターセプト、タックルなどで高い数字を弾き出している。
セレッソ大阪から期限付き移籍のMF西川潤は、3-1-4-2の2シャドーの一角でプレータイムを得ている。プロ5年目の22歳に必要なのは、シーズンを通してピッチに立つことで。ゲームのなかでタフネスさを磨き、持ち前の技術をさらに際立たせるのである。若手と中堅が激しいチーム内競争を繰り広げるいわきFCは、成長をつながる環境と言える。
下位チームにも注目のタレントはいる。
16位のロアッソ熊本では、16歳のFW神代慶人がチームトップの4得点をあげている。初ゴールを含めて3点はPKと、タフなメンタルの持ち主だ。3月30日の千葉戦で決めたプロ初得点は、J2リーグの最年少得点記録となった。
栃木SCのFW南野遥海は、アグレッシブな仕掛けから得意の左足を強振する。ガンバ大阪から期限付き移籍の20歳は、チーム最多の5得点をあげて奮闘している。
J2からJ1へのステップアップはもはや驚きでなく、近年ではJ2から欧州へステップアップする選手も出てきている。今シーズンのJ2でポテンシャルを発揮している若き俊英たちも、国内外から注目を集めているに違いない。