「うれしかった」 10年前のダボを取り返したパーセーブ 松山英樹はメジャー17戦連続予選突破でV争いへ

松山英樹が上位争いに浮上した(撮影:ALBA)

<全米オープン 2日目◇14日◇パインハースト・リゾートNo.2(米ノースカロライナ州)◇7548ヤード・パー70>

午前組のベストスコア「66」をたたき出し、松山英樹が急浮上した。2オーバー・50位タイのカットライン上から出ると、ボギーなしの4バーディ。トップ10内まで順位を上げて、優勝戦線に名乗りを上げた。

出だしの10番パー5ではピンチを回避してパー発進。11番では残り179ヤードから1メートルにつけて初バーディを奪う。その後はショットのミスをショートゲームでカバーしながら、パーを並べ続けて折り返した。

直後の1番ではピンハイを攻めたショットが傾斜に流れ、グリーン右サイドのくぼみに落ちた。そこからウェッジを選択し、3.5メートルオーバーしたパットを決め切ってセーブする。2014年大会では、最終日に同じ状況からダブルボギーを叩いていた。「あそこに行くと思っていなかったので、パーでいけたのはすごくうれしかった」と、そこから10年で磨いてきた技がある。

2番もナイスセーブをすると、3連続バーディで一気に浮上した。3番は138ヤードから2.5メートル、4番は201ヤードから6メートルにつけたもの。5番パー5は打った直後に手を放すほどでティショットを右に曲げるも、レイアップののちに3メートルを流し込んだ。

追いかける位置から出た2日目に、4つのバーディを奪ってボギーはゼロ。「ボギーを打たないっていうのはすごく大事」と、スコアロスがなかったことがなにより評価を与えられるものでもある。

71%のフェアウェイキープ率と61%のパーオン率に不満を残す一方で、小技でカバーしてスコアを作ることができた。「ショットはあまり良くないですけど、ショートゲームでカバーできている。週末に向けてショットが少しでも上向いてくれれば」と、まだまだ伸びしろはある。

これでメジャー17試合連続の決勝ラウンド進出で、継続する選手としてはトップを快走中。2020年から続く記録の中には21年の「マスターズ」優勝も含まれる。メジャー2勝目へ、楽しみな週末へと向かっていく。(文・笠井あかり)

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