「去年の同時期より4割少ない」ウニ漁振るわず 海水温高く、エサとなるコンブが少ないため 岩手・大槌町

三陸沿岸で夏が旬のウニ漁が始まっています。しかし、今シーズンのウニ漁はウニの色や身入りが悪いほか水揚げ量が上向かず、思わしくない状況が続いているということです。その原因とは?

4日午前4時半ごろ、日の出とともに大槌町でウニ漁が始まりました。午前6時を過ぎると、漁を終えた漁師たちが続々と吉里吉里漁港に戻ってきます。大槌町では4月下旬からウニ漁が始まり、今月は週に3回、漁を行っています。漁ができる時間は日の出から午前7時まで。

数量は規定のカゴ1つ分と決まっています。港に戻ってきた漁師は・・・

(どうですか?今年のウニ漁は)
「ダメ、ダメ。やっぱ温暖化で磯焼けでウニそのものもいないもん。例年と違うよ。むいてみてあの色だし、早い話売り物にならないの」

今年のウニは見た目こそは立派ですが、むいてみると色や身入りが悪く出荷できる数量が少ないということです。

「いつもは5月になれば身が入ってるんだけど全然(色が)黒くてダメでした」「数量は足りないですね。だから値段がいいんですよ。2万円超えてますもん、キロ」(平野榮紀組合長)

新おおつち漁業協同組合によりますと14日出荷されたウニは146キロで、去年の同じ時期と比べると4割ほど少ないということです。また、値段は1キロ当たり1万8300円から2万500円で去年より5000円から6000円ほど高くなっています。

ウニの身入りが悪いことについて、岩手県水産技術センターでは「海水温が高く、ウニのエサとなるコンブ類が少ない影響で水揚げ量が例年より少なくなっているし、身入りも色も悪い」と分析しています。

そうした背景から、今シーズンのウニ漁については「厳しい状況が続くと予想される」との見解を示しています。

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