首位発進は体調不良のおかげ? 桑木志帆は「久々にリフレッシュ」

首位タイで2日目を迎えた桑木志帆(撮影:米山聡明)

<ニチレイレディス 初日◇14日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6584ヤード・パー72>

桑木志帆が1イーグル・4バーディの「66」をマークし、首位タイで初日を終えた。

10番パー5では、イーグルも出た。セカンドはピンまで209ヤード。アゲンストもあり「スプーンでカット目に打った」というショットはグリーン奥のラフにこぼれた。3打目のアプローチは「あんまりランは出したくないと思い、ロブっぽく打ちました。ちょっと強かったので『やばい』と思ったんですが入ってくれました」とチップ・インを決めた。

今シーズンは開幕戦と第3戦で予選落ちを喫したものの、以降はすべて決勝ラウンドに進出する安定感を見せていた。しかし、先週の「宮里藍サントリーレディス」では体調を崩し、久しぶりの予選落ちを喫した。

ただ桑木にとってそれは悪いことばかりではなかった。日頃から”練習の虫”である桑木は「休めない。(練習を)やらなきゃ自分に負けた気がして。周りが止めてくれないとやっちゃいます」と話すほどストイック。体調不良に陥ったことで「久々に休みができて体もリフレッシュして、しっかり動くようになった」とプラスに働いた。そして快気祝いといわんばかりの首位発進を決めて見せた。

久しぶりの休みに加えて今週からクラブをいくつか変更したことも奏功した。パターを「オデッセイからピンに替えた」と『PLD ミルドパター アンサー2』を投入。「回転が良くて、最後に伸びて入ってくれる」と初日は「26」パットと好調。さらにドライバーと3番ウッドのシャフトをUSTマミヤの『The ATTAS V2』から今秋発売予定とされる三菱ケミカルの新シャフトに変更した。「右に出ることがあったけど、今日はなかった」と球のばらつきが収まったことで安心して振ることができたようだ。

今大会の最終日は父の日ということで、記者からの問いかけに照れくさそうに「一番いい形で終われたらいいな」と父への恩返しを思い描いた。2日目は同じく首位タイの小林夢果と先週、3年ぶりのツアー通算3勝目をつかんだ大里桃子との組み合わせ。「18ホール頑張りたい」。初優勝へ向けて、戦いは始まったばかりだ。(文・齊藤啓介)

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