1Wはキャリー300ヤード! 兼本貴司の53歳とは思えないウッド系2本、4Iなしのクラブセッティング

549ヤード設定の最終18番パー5。兼本貴司は残り253ヤードの2打目で中空構造の2番アイアンを振り抜き、2.5メートルにつけて値千金のイーグル締め。「一瞬強い球が出たから大きいかなと思ったけど、多分ワンピン手前に落ちて、ピンに当たって止まったんじゃないかな。当たらなかったら、コロコロ転がって奥まで行っている」と笑いながら振り返る。

終盤の16番、17番の連続ボギーで首位争いから脱落したかに見えたが、最後のイーグルで帳消しにして、トップの宮本勝昌とは1打差の5アンダー・2位タイで「スターツシニア」の初日を終えた。

兼本はシニアツアーでも1、2を争う飛ばし屋。「ドライバーはキャリー300ヤード、3番ウッドがキャリー280ヤード、2番アイアンがキャリー250ヤードで力むと260ヤード」というから驚きだ。主にティショット用に入れている2番アイアンで、同組のシニア選手のドライバーより飛ばすことも珍しくない。

ウッド型のユーティリティは「上がりすぎてコントロールが利かない。低い球を打とうとすると、引っかけやフックが出やすい」という理由で入れていない。兼本は現在53歳だが、ウッド系はドライバーと3番ウッドの2本だけというレギュラーツアーでもなかなか見られないクラブセッティングとなっている。

そして、ウッドの下は2、3番が中空アイアンで、4番アイアンがなく、5番からPWまでがマッスルバック、ウェッジは50度、56度、60度の3本という構成だ。「シニアでは4番アイアンを使うことがないので抜いています。シニアは今年3戦目なんですけど、まったく4番アイアンを使う距離が残らない。きょうも一回も使うシチュエーションがなかった。3番アイアンが230ヤード、5番アイアンが210ヤード飛ぶから、その間はコスらせたりすれば何とかなる」。

今季は国内シニアツアーの最終予選会をトップで通過すると、ここまで2戦を終えて優勝、12位タイと絶好調。賞金ランキングでは片山晋呉に次いで2位につけている。「優勝」という今年の目標を早々にクリアして、次に見据えているのは海外メジャーだ。

「賞金王は無理かもしれないけど、4位以内には入ってみたいですね。またメジャーに行きたい」と話す。今シーズンを終えて賞金ランキング4位以内に入れば、来年の「全米プロシニア」と「全米シニアオープン」の出場権が手に入る。

22年には国内シニアツアーの賞金ランキング3位に入り、昨年その2試合に出場。全米シニアオープンでは2日目の最初の6ホールで5バーディを奪うチャージを見せて、決勝ラウンドに進んだ。「本当はこの調子のままメジャーに行きたい」。大会は残り2日だが、気持ちはもう海外メジャーまで飛んでいる。

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