今季不調が続いていた宮本勝昌 ショットの内容に納得いかずも「スコアは大満足」

「引っ張ってもらえた」。初日は“虎さん”ことチェ・ホソン(左)との同組でともにスコアを伸ばした(提供:PGA)

<スターツシニア 初日◇14日◇スターツ笠間ゴルフ倶楽部(茨城県)◇7038ヤード・パー72>

宮本勝昌が3戦目にして定位置に戻ってきた。「スターツシニア」の初日、6バーディ・ボギーなしの「66」をマークして、単独首位発進。2日目はアウトスタートの最終組でプレーする。

昨シーズン、宮本は国内シニアツアー11試合に出場して、優勝3回を含むトップ10を10度記録し、圧倒的な強さで賞金王を獲得。唯一トップ10を外した「トラストグループカップ 佐世保シニア」でさえ20位だった。それが今季は開幕から2試合で53位、63位と自己ワースト順位を続けて更新。“らしくない”プレーに終始していた。

シニアは4日間競技を除いて、2日目以降は初日の成績で組み合わせが決まる。ざっくりいうと成績の上位半分はアウトスタート、下位半分はインスタートとなるのだが、初戦の2日間競技「ノジマチャンピオンカップ箱根」の最終日も、2戦目の3日間競技「すまいーだカップ」の2日目と最終日も宮本はインスタートだった。それがようやくいつものアウトスタートに戻ってきたのだ。

ここまでの不調の原因はショット。それは今も続いている。「スコアはどうでした? と聞かれれば大満足。内容に関してはショットが上手くいかないので、そっちは納得いかないですけど…」と首をひねる。

初日の9番ホールでは、距離の短いセカンドショットがピンの5メートル右に飛び、悔しさをあらわにした。「言葉にするなら、思ったよりも右に行く、かな。ちょっと模索しながらやっているんですけど、いまいちつかめないですね」と苦笑いを浮かべる。それでも、「スコアと内容はなかなか直結しない部分ではあるので、スコアが良ければまずいいです。良いときも悪いときもあるのが人生(笑)」と割り切っている。

ショットに満足いかなくてもスコアが出ているのは、グリーン上のパフォーマンスがいいから。先週はレギュラーツアーの「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」に出場し、13フィートを超える高速グリーンのなかで4日間プレーした。今週は10フィートちょっとと、それほど速くない中で、しっかりカップに向かってオーバーさせていくパッティングができている。

「自分のイメージしているスピードよりは出ていなかったので、そっちは上手く微調整できましたね。スピード感が合わないときはラインが合わないので、入る確率が下がるんです。いかに自分のイメージとグリーンのスピードを合わす作業を初日に作っておくかが大事かなと思います」

5月下旬に海外メジャー「全米プロシニア」に出た後、帰国してすぐに国内シニア「すまいーだカップ」に出場。その翌週はレギュラーツアー、そして今週は国内シニアと試合が続いている。今大会を終えると1週空いて、今月27日に開幕する「全米シニアオープン」に出場する予定だ。

レギュラーツアーの若い選手よりもハードなスケジュールをこなすが、「自分の中では年初に決めていたスケジュールで4勤1休、3勤1休ではやってきているので、疲れているとかハードスケジュールという自覚はないですね。現状は体の調子がいいです」。レギュラーツアーでは7年がかりで151試合連続出場の記録を持つ鉄人は意に介していない。

「今年も最終目標はチャンピオンズツアー(米シニアツアー)の予選会、QTファイナルに行くことなので、そのために結果を出さなきゃいけない」。今年12月に開催される米シニアツアーの最終予選会に出るためには、国内シニアの賞金ランキングでトップに立つか、今年の米シニアツアーの賞金ランキングで100位以内に入る必要がある。高額賞金の3日間大会でこの2戦の出遅れを取り戻しにいく。

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