いよいよ明日決戦! 「去年と違うところは…」アビスパ福岡vsサガン鳥栖の九州ダービー 元鳥栖戦士のコメントから読み解く勝負のポイント

J1福岡の松岡

J1アビスパ福岡とサガン鳥栖の九州ダービーが16日、福岡市のベスト電器スタジアムで行われる。午後3時半キックオフ。現在は福岡が勝ち点25(6勝7分け4敗)の10位で鳥栖が勝ち点14(4勝2敗10敗)の17位。過去に鳥栖でプレーした福岡の選手たちのコメントを参考に、注目の〝対決〟を挙げてみた。(記録は14日現在)

守備VS攻撃

いわずもがな両チームのプレースタイルが今季リーグ戦の数字にも表れる。福岡が17試合、鳥栖が16試合と消化試合が違うために1試合平均の数字で比較する。

1試合平均得点は鳥栖がリーグ12位の1.3に対し、福岡はリーグ16位の1。1試合平均失点は福岡が5番目に少ない1に対し、鳥栖は3番目に多い1.8となっている。福岡はJ1トップタイの7試合のクリーンシート(無失点試合)を達成している。今季6勝のうち4勝をクリーンシートで挙げている。

一方、鳥栖は全4勝が3得点以上の複数得点。鳥栖の下部組織出身で2021年途中まで在籍した松岡大起は「一人一人の距離感がすごくいい。いい時は複数得点が多いので、いい守備からいい攻撃につなげるようにやっていきたい」と気を引き締めた。

非保持VS保持

平均ボール支配率が鳥栖は48.7%、福岡がリーグで最も低い41.4%。福岡のボール保持にこだわらないスタイルが分かる。

ピッチを流動的に走り、ボールを保持しながらつないでゴールに迫る鳥栖に対し、福岡は前線から最後尾までの距離をコンパクトに保って相手のボールを奪ってカウンターに転じる速攻を得意とする。1試合平均の走行距離は鳥栖がリーグ1位の121キロで河原創はリーグ1位の総走行距離207.6キロを走っている。福岡の1試合平均走行距離は113キロ。

昨季途中まで鳥栖に在籍した田代雅也は「いろいろなスペースを突いてくる。このスペースを与えないことと、このスペースを使わせていいところをうまく合わせながらやれば自分たちの戦いができる」と話した。

岩崎VS原田

サイドを駆け上がって攻撃の起点になっている岩崎悠人は今季の福岡に欠かせない存在になった。「警戒されるかもしれないけど、いける(突破できる)ところを見せたい」と昨季まで所属した古巣対決に燃える。

ともに先発すればマッチアップする可能性が高いのが原田亘だ。「賢い選手で良さを消してくる。それでも(自分には)突出した部分があると思うので、そこで勝負していきたい」と意欲を見せた。

福岡の攻撃VS朴一圭

鳥栖のGK朴一圭はリーグトップのセーブ(相手の枠内シュートを防いだプレー数)総数57本を誇る。松岡は「パギ君(朴一圭)は一緒にやってて、チームを統率する力もありますし、シンプルにゴールを守れる。彼がいるからこう、コンパクトにいいサッカーができる。背後のケアとかアラートでいいので、点を取るために、チームとしても個人としても考えてプレーしていきたい」と気を引き締めた。

ペナルティエリア内を飛び出し、高い位置を取るGKで、ホームG大阪戦で見せた福岡のシャハブ・ザヘディが見せた自陣からの超ロングシュートが再び飛び出すかにも注目が集める。

福岡の守備VSマルセロヒアン

田代、岩崎、松岡が名前を挙げたのが3人にとって〝未知〟のマルセロヒアンだ。今季、横浜FCから移籍してきた22歳のブラジル人ストライカーはチームトップの7ゴールをマークしている。

岩崎は「去年と違うところはヒアン選手。背後にパッと(ボールを)飛び出してくる。回す攻撃とともに気をつけないといけないのがヒアンの怖さ」と警戒。田代は「個人の勝負も大事ですけど、組織で守るっていうときにケアをするというのも大事」と真骨頂の組織的な守備で抑えることを誓った。

© 株式会社西日本新聞社