お手伝い学ぶ子ども食堂 「お礼として提供する形を」

子どもたちに食事や居場所を提供する子ども食堂。

物価高騰の影響などもあり全国的に増加する中、飲食店の女性店主が始めた子ども食堂の食事だけではない、新たな取り組みを取材した。

5月30日、初めて子ども食堂をオープンした東京都内の飲食店「大分居酒屋 まな愛」。

子ども食堂を利用する子どもたちに店主の長門真奈さんが配ったのは、透明な手袋。
この手袋を使って、近所のごみ拾いをした。

地域社会への貢献をしてもらう取り組みだ。

道路に落ちているごみを、まるで宝探しのように探す子どもたちは、30分ほどかけてたくさんのごみを拾った。

近所の青果店は「ちゃんとゴミ拾いをしていい取り組みと思う」と話した。

こうした活動を思いついた店主の長門さんは、高齢者のケアマネジャーを務めていたが、コロナ禍の2021年、間借りで飲食店を立ち上げ、2023年に自分の店を持つまでになった。

ごみ拾いを企画した思いを聞いてみると、「一緒に何かお手伝いをして、それに対して食事を“お礼として提供する”形にしたいなと」と語った。

この日の食事は、カツオのごまだしうどん、大分とり天など、長門さんの出身・大分の名物。
料理を盛り付けるのは子どもたちだ。

普段子育てと家事で忙しいお母さんは食べる専門で、後片付けも子どもたちが手伝った。

参加した主婦は、「(家で手伝いは?)あまりさせていない。時間に余裕を持てていないのと、私は時間と心に余裕がないのとで」と話した。

食事を提供するだけではない子ども食堂の取り組み。

0歳から8歳の子ども4人の家庭は、今回参加したことで子どもたちのある変化を感じていた。

参加した主婦:
(子どもたちに変化は?)家に落ちているゴミを拾ったり、机を拭いてくれるのを食堂に行ってから自分でやるように。自ら“やりたい”と言うようになり、すごくよかったと思う。

長女(8):
(何が1番楽しかったですか?)ゴミ拾い。

手伝うことの“楽しさ”を気付かせる子ども食堂。
6月に2回目が開かれる。

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