日豪の俳人・研究者ら俳句を語り合う 松山大でシンポ

日本とオーストラリアの俳句について意見を交わす両国の俳人ら=15日午後、松山市道後樋又

 「俳句とオーストラリア」をテーマにしたシンポジウムが15日、愛媛県松山市道後樋又の松山大学であり、日豪の俳人や研究者がそれぞれの俳句の特徴や違いについて意見を交わした。

 豪の俳句研究者でメルボルン大のグラント・コールドウェル氏は、俳句の魅力を「簡潔さ、空間への言及、特殊なものに普遍性を見いだすこと」と説き、松尾芭蕉の「不易流行」は日本以外にも類似する概念があると語った。

 日本では俳句結社や師弟関係が一般的だが「自由であるべきで、芸術とは対極のもの」とも言及。師弟は本や情報が容易に得られない時代のもので「今は読書の努力と時間を惜しまなければ上下関係がなくても俳句を学べる」と持論を語った。

 これに対し松山市の俳人小西昭夫さんは、日本人の学びは、字の手習いなど「まねる」ことから入り「教えてもらうことに権威を感じる」と説明。「同じ文学観を持つ結社の集まり、師弟関係が当たり前と思っていたが…」と語りつつ、日本人にない発想に興味深くうなずいていた。

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